新入り騎士出会いの記憶



※燐音再会前
※月永帰還直後



Leaderが戻ってきたというのに、Judgmentを開催するなんて突然言われ、Knightsの曲もLeaderの作曲された曲たちばかりで使えないことを知り驚きました。Leaderになかなか名前も覚えてもらえず、ましてやこのような事になってしまって、私はJudgmentに備えなければならないのです…!!!




「り、」



この夢ノ咲では聞き慣れない声がして思わず振り向きました。そこにいたのは初めて見る女性で、ポツンと立ちすくんで私を見ているではないですか。しかし、残念ながら私の記憶にこの方のことは何もないのです。ましてや、制服も着ていないこの方は一体誰なのでしょうか…?











「佐賀美先生には許可をもらっててね、配達とかも兼ねて来てるの」




優希さんは、Cafeで働いている店員さんだそうで、たまに注文のあったものを配達に来ていると教えてくださいました。そしてもう一つ驚いたのは、




「Leaderとお知り合いだったとは…」
「うん、レオくんにはお世話になってる人間なんだけどね」
「Leaderが?信じられません…!」




そう、Leaderにお世話になってると言ってるんです!驚きです、Leaderが優希さんのお世話になってるのではなくて?と聞き直しましたが間違いではないというのです。不思議で仕方ないです…!




「レオくんから聞いてるよ、Judgmentをすることとか」
「そうなんですね…Leaderは戻ってきてから、この朱桜司の名前も覚えてくださらず練習も来ないでライブも何故か観に来ていていろいろ理解できません!」
「ふふっ、それがレオくんの立場だからね」




私がくぁあっとなっているのに、横でクスクスと笑う優希さんはとても不思議な方です。初めましての方の前で取り乱してしまったと内省をして、コホンと咳払いをして落ち着かせる。




「王様とか、君主とか…、上の立場の人っていろんな事を考えなきゃならないからね。あたしたちみたいな下の立場から見えない景色が見えるところにいるの。だから、理解できないこともあるだろうけど、上に立つ人ってそれなりの覚悟と考えがないとダメだからね」




ぼんやりとそう呟く優希さんは遠くを見つめていて、その表情は何やら切なそうです。お世話になっているというLeaderのことを言っているのか、でも何か違う気もするんですが私はまだ優希さんと知り合ったばかりなので確信も何もないのですが。




「上の人は孤独だから、わからないってなってその気持ちで止まっちゃったら孤立しちゃうの。だからね、たくさん話して知ることが大切だと思うな」
「…優希さん」
「まあ、司くんなら大丈夫だと思うけどね」




気づけば、校舎内の玄関口までやってきていて、優希さんは「ありがとう」と言いながら私に小さな包みを下さいました。見てみれば、中には美味しそうなCookieが入っていて驚きです。



「レオくん、破天荒なところもあるけど、ちゃんと考えてくれてる王様だから信じてあげてね」



そう呟く優希さんがやっぱり切なそうで消えそうに思ったんです。だから私は気づいたら優希さんの手を掴んでいました。





これが優希お姉さまとの出会い。

[ ]









×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -