ハロウィン21 | ナノ

おそとにでたら、すっごいおそらがきれいなの!

あおいそらがきれい〜!


そしたら、ぱたぱたちょーちょがいたんだよっ。


「ちょーちょっ!」


どこいくのかなぁっておっかけっこしてたらね、どっかいっちゃった。


「んぅ?」



なんかね、しってるよっ。


なんか、いるよっ!


なんかいるっ!


















一彩さんの一言により、私たちは捜索をしていたんですが。ふと見つめた視線の先には、赤い小さな物体が、それはもう可愛らしくパタパタと外を走り回っていたんですぅ〜!


後ろから見れば真っ赤な丸い形をしていて、愛くるしい赤ずきんちゃんの格好…!あまりにも可愛らしくて、邪魔をしてはいけない気がして、こっそりと物陰に隠れてみることにしました。そしたら、蝶々を追いかけていたようで、自分よりも高い位置を見上げてはちょこちょこと動き回る。


あぁ、可愛らしいですねぇ〜。


ふふふ、と自然と緩む頬。キョロキョロしている姿は遠目から見ても可愛さは伝わってくる。あまりにもの可愛さに浸っていたら、どうやら蝶々がいなくなってしまったようです。ただ何もせず宙を見つめながら立っている後ろ姿を眺めていれば、んぅ?と言いながらこちらの方に振り返る。


振り返る、



振り返って、



駆けてきて、







「みつけたー!まよちゃん!!!」

「見つかってしまいました〜」





物陰に隠れていたはずの私に飛びついてきたんですぅ!ガバッと抱きついてきた蓮さん。あぁ、私にそんな眩しい笑顔!愛くるしくて幸せです…!!!



「まよちゃんかくれんぼ?」
「かくれんぼじゃないですよ、蓮さんを見つめてたんです」
「んぅ?蓮みてたの?」
「そうですよ、蓮さんは何をされていたんですか?」
「んーとね、ちょーちょおいかけっこしてたらね、ぱたぱたいっちゃった!そしたらね、蓮ね、だれかいる〜ってね!そしたら、まよちゃんみつけたのよっ!」



精一杯、私の質問をひとつひとつ説明してくれる蓮さん。私には眩しいぐらいの笑顔は、キラキラとしていて美しい。私の名前を口にする瞬間、楽しそうにガバッと抱きついてきてくださって、こんなにも愛くるしい蓮さんに抱きついてもらえて、幸せ者ですぅ〜!




「蓮さん、マヨイさんこちらにいたんですね」
「たつくん!」
「お二人とも探しましたよ」
「そうでした、すいませぇええん!」




蓮さんとのやりとりに癒されていれば、やってきたのは巽さん。蓮さんは巽さんとも顔馴染みなので、人懐っこい笑顔を浮かべる。巽さんの探したと言う一言に、私はハッとしてここにいた本来の理由を思い出す。



「まよちゃん、どーしたの?」
「私がいけないんですぅ〜」
「そんなことはありませんよ、マヨイさん。蓮さんを無事見つけられたので何よりです」
「んぅ?」
「蓮さんは何をしてたんですか?」



うぅ…と項垂れていれば、蓮さんは不思議そうな表情で私を見上げてきて、これがまた可愛らしくて。巽さんは蓮さんに何をしていたのかと問い掛ければ、蓮さんは「んぅと」と言いながら記憶の糸を辿り始める。それもすぐに何処かへ行き着いたらしく、持っていたカゴを抱えてぴょこっと跳ねた。



「これね!もらったんだよっ!」
「これはこれは!いっぱいもらったんですね、どなたからですか?」
「これはね、けーくんでね。これがね、あどちゃん、」



どうやら、蓮さんの手に持っていたカゴはここに来るまでに会った方々から頂いたお菓子だったようで、一つ一つ丁寧に教えてくれる。その様子を巽さんはニコニコといつもの優しい表情で傾聴していた。一通り、説明を終えれば蓮さんは、にぱっと笑顔を浮かべて顔を上げる。



「とりっくおあとりーとってゆったらね、おかしくれるんだよ〜!」
「そうなんですか?蓮さんは物知りですね」
「だからね、たつくんもまよちゃんもひーろからおかしもらおう!」
「ふふっ、一彩さんはそんなにお菓子持ってますかね」
「もってるよっ!だって蓮がほしいってゆったらもってるもん!」



その言葉に私も巽さんもふふっと笑みが溢れる。一彩さん、蓮さんはあなたからお菓子を頂く気満々ですよ。現に、私たちは蓮さんの捜索をしていたわけなので、一彩さんがお菓子を持っている確率は何とも言えませんねぇ。

一彩さんが蓮さんをお菓子で釣ろうとしていたのであれば、別問題ですが。



念のため、スマホで連絡を入れておきましょう。



「たつくん、マヨちゃん蓮ね、あかずきんちゃんよ!」
「はい、とても可愛らしいですぅ。優希さんが作ってくれたのですか?」
「きーくんがつくってくれた!」
「そうなんですね、蓮さんにお似合いです」



蓮さんのおっしゃっているきーくんがどなたかわかりませんが、とても嬉しそうですぅ。現に巽さんにも褒められて、えへへと笑う蓮さんは本当に可愛らしい…っ!


すると、突然ハッとした表情を浮かべてキョロキョロし始めたんですが、どうしたのでしょうか。



「たつくん!まよちゃん!おおかみとあったら、たべられちゃうから、しーっしながらいくよっ!」
「確かに。可愛らしい赤ずきんちゃんですからね」



なるほど、赤ずきんちゃんのお話を知っていたんですね。必死にキョロキョロと周りを見渡す蓮さん。

年相応な反応と蓮さんの愛嬌によって可愛いが溢れてますぅ!ふふふ、ついつい頬が緩んでしまいますね。



しかし、蓮さんは何故隠れていた私に気づけたのでしょう…?




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