短編 | ナノ


※花吐き病ネタ

幼馴染の真は、最近思い詰めた顔をよくするようになった。本人は無意識だろうけど、みんなと一緒にいる時、タバコを蒸してる時、仕事中のさりげない瞬間も、ふとした時に誰にも気付かれないようにその表情を浮かべる。周りのみんなは誰も気付いてないようだったけど、あたしだけはそれに気付いていて、最初こそ見て見ぬふりをしていたけれど、不安と心配がちょっとずつ積み重なっていって、真に聞いたことがある。


「何もねぇよ?気にしすぎだって」


真はへらりと微笑むだけ。完全に笑って誤魔化したなって思ったけれど、これ以上立ち入るなって言われてる気がして、あたしは何も言えなくて、この話題に触れることをやめた。
真は昔から人一倍苦労して来たことを知っている。早くにお父さんもお母さんも亡くして、おじいちゃんと二人で下の弟と妹のために親代わりまでしている。自分だってもっとやりたいこともあるだろうし、思うことだってたくさんあるはずなのに、いつだって笑顔で、冗談を言ったりして慕われてるお兄ちゃんをしているのを見て来た。友達に囲まれれば、喧嘩ばっかのくせに最弱王って言われたり。でも自然と人の集まる姿をあたしはいつだって少しだけ離れたところで見ていた。
離れたところで見ていたあたしは、付かず離れずの距離をいつだって保って来た。所詮は男と女、昔からの幼馴染と言えど、成長してしまえば関係も距離感だって変わってくる。気にせず一緒にいるのは難しくなる反面、やっぱり離れたくない気持ちがせめぎ合って、あたしはタラタラと何かに理由をつけて今の縁が切れないように必死にもがいていた。だから真の変化にも気付いたし、見て見ぬ振りもできなくなって声に出してしまって、結局それははぐらかされてしまったんだけれど。あたしの心の中のモヤモヤが、ちょっとずつ増えていくのがわかる。


こんな風に悩んだ時は近所の神社に行って、一人でお参り。小銭を確認したら、五円は入ってなかったから、悩んだ末、百円玉を投げ入れた。二礼二拍手一礼をして、脳裏に浮かぶのは今日も今日とて真のこと。


真の抱えてるものが少しでも楽になりますように。


「ッごほっ」


お願いはまだ言い切ってないタイミングで、突然発作のように咽せ返るような咳が出る。喉の奥がイガイガして、胃の中が痛い。大きな異物感を感じて嘔吐のような感覚が襲う。口元を手で抑えて、堪えてみるも意図は反して今迫り来る嘔吐感が抑えられない。ゲホッと思いっき咳き込んだ瞬間、ボトっと足下に落ちる音がした。

突然出したことにより、生理的に出て来た涙を拭って足下のそれを見る。直前まであたしの中に入っていたことを証明するように唾液まみれの黄色とオレンジが混ざった花が一輪がそこにあった。黄色とオレンジが混ざって、唾液のテカリが反射してまるで金色に輝くその花。あたしはその花をそっとタオルに包んで自分の持っていた鞄に仕舞い込んだ。




今、日本では謎の病気が流行っている。
名を花吐き病と命名されたそれは原因不明。男の人も、女の人も罹患してるというではないか。共通点も分からず、今現在医療関係者たちが必死になって調べているという。わかっていることと言えば、吐き出した花に触れてしまえば病気が移ること、特効薬が不明であること。それだけである。空気感染ではないことは確からしいが、ウィルスなのか細菌なのかもわかっていない。ただあたしはこんな流行病に罹ったことを、誰にも言えず心配かけまいと思い、一人でこれを抱えることに決めた。ありがたいことに、吐き出すタイミングは大抵一人の時だったから、誰かに見られることも今のところない。病院に行っても大事になるだけ、とりあえずあたしはネットとメディアを駆使してかき集められる情報をできるだけ集めて、動くことにしていた。

第一、花を吐く病気になったなんて気持ち悪がられるし、誰にこんな相談ができようか…。

というのがあたしの本音である。怖いけど、それ以上に誰かに他言しちゃいけない気がして、そっと押し込んだ。




「今度エマと出掛けるんだけど」
「お前ら仲良いな」
「慕われてるからね」


ある日、街中で真とばったり出会う。真は休憩中だったらしくて、そのためのご飯を買い出し。二人でぷらぷらと見慣れた道をゆっくり歩きながら話すのは共通の話題。今度、真の妹であるエマと出掛ける予定を話せば、「いつも悪いな」って笑う真。別に、慕われて悪い気はしないし、可愛いエマが「名前ネェ」って言ってくれるのはとても嬉しいことだ。


「アイツがくっついてると、名前も好きなことできねぇだろ」
「そんなことないよ」
「名前は自分のこと優先して良いからさ」


さりげない会話の中に散りばめられた言葉に何度胸を痛めただろうか。何度、真の行動に傷付いて来たのだろうか。真とは幼馴染であってもそれ以上でもそれ以下でもない。しっかりと張られた一線があってそれを越えることすらない。所詮は他人、所詮は違う人間。どんなにあたしが真のことを思って、佐野家のことを思っても、それを真は頼ることも甘えることもしてはくれない。いつだって気にかけるのは他人のことだ。実際に、真は真なりに好きなことをやって来たんだと思う。自分達のチームを作って、抗争が起きては傷を作る。それもなかなか、見てられるものではなかったけれど、やっぱり一番堪えたのは女の子に告白をしたという話の時だ。いつだって玉砕を繰り返していたとは言え、真が他の人に心奪われていたことを知るのはとても辛かった。だからあたしもその穴を埋めるように、他の人と付き合っては別れてを繰り返す。誰かと付き合えば本気で好きになれるかも、と思って付き合っても心はいつだって晴れなかった。奥底にいるのはいつだって真で、手を繋いでもキスしてもその相手が真だったらって何度思っただろうか。



「幼馴染ってだけで、別に良いんだよ、んなに付き合わなくたって」


幼馴染って立場を利用して、人よりも知ってるフリをして、いざとなればそれを理由にと思っていたけれど、どうやらそれもそろそろ潮時らしい。




真と会ってから更に数日のことだった。エマと約束の日。あたしたちは渋谷のカフェで一緒にパンケーキを食べていた。黄色いトロピカルなシロップと生クリームが乗っててボリュームがあるそれを、ナイフで切り分け味わいながらゆっくりと咀嚼する。まるであたしが吐く花のような色だな、って思いながら「美味しいね」と呟く。


「そういえば、名前ネェは知ってる?」
「んー、何が?」
「花吐き病の原因、分かったらしいよ」


パンケーキをまた一口、口に含んだ瞬間だった。むぐっとむせ返りそうになるのを必死に平常心を装って誤魔化した。エマは話しながらパンケーキを切ることに夢中で気付いてない。


「精神的なものらしくって。共通点がわかったんだって」


しかもそれ、何だと思う?と謎の病気の話題だというのにワクワクした様子のエマ。この話がそんな表情を生み出すのか、とむしろ疑問符を抱きながら、あたしは「なんだろう」と返す。


「片思いなんだって」


この瞬間、ドクンとなった心臓の音が凄く大きく聞こえたし、一気に口の中が乾いた気がする。パンケーキがスポンジのように水分を吸い取ったかのようにパサパサになった口の中をセットで頼んだアイスティーで潤す。


「片思いの気持ちをずっと抱えてた人の感情が体の中で花のような形になって逆流して吐き出してるらしいよ〜。それなら、ウチもなってもおかしくないのになぁ」
「エマのは片思いじゃないってことなんじゃない?」
「ケンちゃん、ウチのこと全然そんな風に見てくれないのに…!」
「そうかなぁ」


あたしからすれば、十分過ぎるほどエマのことが大好きですって見えるけどね。まあ、本人たちが何もしないのであれば、あたしが口出しするのも烏滸がましい。若いって羨ましい、素直に表現もできるし精一杯悩むことだってできる。まあ、あたしの場合、昔から素直になれなかったから、本当にエマが羨ましくなる。


「でね、花吐き病が治って人もいるらしいんだけど!」
「え、そうなの…?」


あたしはてっきり薬ができたのかと思った。それならやっと、と思ってたのにエマの次の言葉を聞いてあたしの喉で何かがつっかえた。


「両思いになれば、治るんだって!片思いを拗らせた結果なった病気だし、なるほどって思ったよね」


両思い。あたしから一番遠くにいる言葉。昔から幼馴染の枠に固められて、それより外に行くことすらできずに過ごしていたあたしの拗らせた片思い。それを治す手立てが両思いなんて一番遠くにある願い過ぎて胸が痛い。


「両思いになった人はすごく綺麗な花を吐いて治るんだって」


ずっと抱えてた片思いが実って完治!ってすごくない?!と興奮気味のエマにあたしは笑って誤魔化すしかなかった。


「そういえば、真ニイが最近変でね」
「うん」
「部屋にお花飾ってるの」
「へぇ…」
「誰かにあげるの?って聞いたら、まぁなって言われてね。触らせてもくれないんだよ…!」
「そっか」
「あれは絶対次に告白しようとしてる女がいる!もしくは玉砕した後かも…!」


あぁ、だから最近元気がなかったのかな、と思えば合点一致した。好きな人がいるから、あたしがいたら邪魔だしね。なるべく他の女といるところも見られたくないだろうし。真はまた別の誰かを思って追っかけてるのか。そう思ったら、また胸の奥がモヤモヤとし始め、胃の中が痛い。まずいと思った時には、喉がイガイガしていて必死に堪えるもあたしはその場で吐き出してしまう。オレンジと黄色の混ざった一輪の花を。


「え…、名前ネェ、それ」
「っ、ごめ、」



そこからの記憶は曖昧だった。覚えてるのは困惑したエマの顔と無我夢中でこの場を立ち去ることだけを考えていたあたしはカバンの中に入れていたタオルでその花を包んで、ダッシュで後にした。後ろでエマが名前を呼ぶのが聞こえたけど、知らないふりをして無我夢中で駆けた。



家に帰ってからの記憶は曖昧。洗面所に駆け込んで、水道の蛇口を捻って水を勢いよく出しながら、何度も嘔吐感に襲われて嗚咽を繰り返す。ぼろっぼろっと出てくる花はどれもこれも散々見て来た花たち。吐き出すたびに、胸が苦しくて痛くて、目に涙が溜まる。こんなに止まらなくなることは初めてで、どうすれば良いのかわからずひたすら嗚咽をしていたと思う。

何分、もしかしたら何時間経過した頃、やっと治った嗚咽。口の中が何度も嘔吐と嗚咽を繰り返して気持ち悪くて、口を濯いで口元をタオルで拭っていたら、タイミングよくチャイムが一回部屋に鳴り響く。普段だったら、誰だろうって確認するあたしもこの時は、今までのことで疲れ切っていて忘れていたのだ。さっさと出てさっさと終わらせようの気持ちが勝り、鍵を開けて後悔する。



「名前…っ」


肩を上下に動かして、息を乱している真がそこにいた。驚いたような、明らかに慌てて来ましたって真がそこにいて、あたしは思わず扉を閉めようとするけど、所詮は男と女。力の差で負けてしまい、無理やり扉を開けられてしまう。思わず後退して逃げれば、真がズカズカと入ってきて、扉を押さえる手がなくなった瞬間、自然と扉はバタンと音を立てて閉まる。



「ど、うしたの」
「どうしたじゃねぇよ、エマから聞いた」


あぁ、これでもう誤魔化せない。あたしはギリっと歯を噛み締めて、それでも諦めきれないあたしは言い訳を必死に作ろうと考える。


「大丈夫、なんもないよ」
「何もなくねぇだろ。病院、なんで行ってねぇの」
「なんのこと…なんもないから」
「名前、ずっと…ッ!」


やめて、やめて、あたしの心に踏み込まないで。そこに真が触れても、あたしは絶対叶わぬそれ。だったら、ずっと仕舞い込むことを選んだあたしの心を揺さぶらないでほしい。あたしの拗らせた恋心。


「っごほッ!」


タイミングが悪過ぎた。ずっと考え過ぎたのかもしれない、真を目の前にして片思いという気持ちを塞ごうとしたのが裏目に出て、それは花となって吐き出される。あたしと真の間にぼとりと落ちた黄色とオレンジの混ざった花。あたしの中から出ましたと明らかな証拠として唾液まみれのそれ。あたしの口元からツーッと垂れている。それを真は何を思ったんだろうか。真っ直ぐ見つめて、手を伸ばそうとするその動きにあたしは目を見開いた。


「ッだめ!さわっちゃッ」


自分でも驚くほど大きな声だった。真はその言葉の通り、ピタリと動きを止めて動かない。だけどその視線はずっと花にある。あぁ、ダメだもう。あたしも真との関係もぜんぶぜんぶ。


「っッ!ごぼッ」
「し、ん…」


ぼとりと再び音がした。真をずっと見つめていたあたしには、突然真が体を震わせて痙攣を起こしたような動き。それも一瞬だったけど、耳に届いた音が真実を映す。足元の、あたしの吐いた花のそばに転がるのは一輪の花がそこにあった。白くてうっすらピンクがかった可愛らしくも大きな一輪の花。なんで、どうして。真は触ってないはずなのに。


「し、ん…だれ、を」


エマの言ったことは本当だった。真は誰かのことを好きなのだ、と。あぁ、こんなにも真はその人を想っているのか。すごく綺麗で優しい色、真からはそう見えてるのかと思ったら、羨ましくも妬ましくもなり、それは涙に変わる。


「っ」


お父さんを亡くして、お母さんを亡くして、まだ小さい弟と妹のためにお兄ちゃんとお父さんとお母さんをやっているのに、神様は何故真にこんなにも試練を与えるの?


「…なんで、名前が泣くんだよ…」


なんで真は笑ってるの、


「真はなんでいつもそうなのッ。辛いも苦しいも言わないでッ、そんな風に笑ってられるのッ、真に幸せになってほしいのに…っ」


絶対大変だし嫌なことばっかなはずなのに。真は何でそんな風にいられるの。あたしは真に幸せになってほしい、真がつらかったら誰かに頼ってほしい、あたしがなってあげたいけどきっと無理だから。それなのに、真ばっかり。感情ばかりが募って言葉にできないあたしはひたすらポロポロと涙を流すことしかできない。


「辛いことも苦しいって思うこともあるけど、これでも頼って来たつもりだよ」
「もっと頼らなきゃ、真は頑張りすぎてる」
「じゃあ、もし頼ったら、お前はどうなるの?」
「どうって、…」
「俺がお前を頼ったら、気丈に振る舞ってるおまえはどうすんの?」
「あたしはそんな気丈に振る舞ってないよ」
「うそつけ、いつだって気丈に振る舞ってるじゃん。神社にお参り行って神頼みばっかり。叶えてくれるわけないのに、いつだってお願いしてさ。お前こそ拗らせてるじゃん。そんなこと、俺にはできねぇよ」


ここまで淡々とお互いに言葉を発していた。その中で、あたしは一つの違和感を覚え始める。


「俺は確かに辛いし苦しいけど、弟たちのためなら頑張れるからやってるの。だからそんなこと言わない欲しい。俺はお前まで抱えてあげられないから、そんなふうに苦しんでても何もできないから、そんなお前を見ていたくない」


真は何を言ってるの、真はなんであたしのことをそんなにも知ってるの。そういえば、さっき真はなんで言った?ここに来た時、なんで病院に行ってないのか、ずっとって。ずっとって…それはいつからのこと…?


「俺には幸せにできるほどの技量も器もがないから、自分でこもってないで掴んでほしい」


真はこんなにも誰かのこと拗らせてるのに、何故こんなにもあたしのことを思ってくれるの?真は自分のことでもいっぱいいっぱいのはずなのに、この思いはなんで届かないのだろう。


「…名前は俺に幸せになってほしいの」


真のか細い声。多分、初めて聞いた、力無い声。あたしは一度だけ頷く。



「なら俺のこと好きになって」


気づいた時、あたしはギュッと力を込めて真の腕の中に閉じ込められていた。だから言われた言葉を理解できずにフリーズしてしまう。


「名前がそんなになるぐらいの相手になれるようになるから、俺のことを本気で思うなら俺のこと好きになって」


ずっと頼ってほしいと思ってた。ずっと支えになれたらと思ってた、何度もなりたくてなれなくてもどかしかった思い。それを突然、真に言われた言葉によって覆されるとは思ってもみなかった。真は今、なんて言った?


「誰かを思ってずっと花を吐き出す名前、もう見てらんねぇよ…」
「し、ん…」

「俺のそばにいて、好きって言って」


ギュッと力を込められる腕。それとは逆に消え入りそうな声だったけど、たしかに真が言った言葉が耳に届く。


「しん…」
「…て、ごめんな…ワリィ、」
「や、まって、」


ハッとしたように、真は今の発言をはぐらかすようにあたしから離れて、いつもみたいに笑って誤魔化す。普段は絶対見せないところを見せたのが堪え難いのか、あたしには目線を合わせてくれない。あたしが必死に静止してもだ。


「真ッまってッ」


腕を掴んで引っ張って、やっと真は動きを止めてくれた。それでも目を合わせてくれない真だけど、あたしはそれでも良い。ギュッと手を握りしめて、息を飲む。


「真、好き…ずっと、好き…」


ここで言わなきゃいけない、今言わなきゃ絶対後悔すると思った。だからあたしはずっと、ずっと拗らせて蓋をしていた気持ちを自ら開けて呟いた。

この時の真の驚いた表情は今でも忘れられないし、きっとこの先も忘れられないだろう。




ずっと真が思い詰めた顔をしていたのは、あたしのせいだった。真はあたしが花を吐いてることを知っていたという。あたしが趣味半分習慣半分で行っていた神社で花を吐いていたところを見ていたらしい。そういえば、あたしがよく花を吐くのも神社だった。真のことを思ってお祈りしてたから、一番拗らせてた感情が溢れる時。それを真が見ていたという。そして、そのあと、真もすぐに病に罹ったと聞かされる。長期化して拗らせ過ぎて拗れた結果、あたしたちはいつだって遠回りをしていっぱいの寄り道をしてしまったのだ。








「…しん、」
「んー?」


真の部屋にあるベッドに座るあたしの胸に埋まるように抱きついてる真。さっきからずっと動かない頭をそっと撫でながら、名前を呼べば返事があったから、ちゃんと起きてはいるらしい。


「最近、甘えん坊になったね」
「名前が甘やかしてくれるからな」
「そうかなぁ」


ふにふにとあえて顔を擦り寄らせる動きがちょっとくすぐったいけど、真がこうしたいのなら良いかなって思ってしまうあたしもなかなかに末期だな。でも、少し前ならこんなこともできなかったし、日々を踏ん張って生きてきた真が少しでも気持ちが癒されてくれるなら喜んでしてあげよう。



「名前」
「なあに」
「すげー好き」
「うん。あたしも大好きだよ」



あれからあたしも真も花を吐くことはなくなった。それと同時にずっと拗らせてた気持ちも無くなって、今では日々がとても幸せである。

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