「アンタ、男の尻を追いかける趣味でもあるのか?随分と、悪趣味だな」
「..!?」

ガタン、と扉が閉まる音と同時に、青年はそこにいた赤い髪の男へと声をかける。
扉が閉まった瞬間、驚いたように振り返った男は、酷く焦ったように目を見開いていた。
まあ、顔にはサングラス、マスクをつけていて、全身黒で統一されたバトルスーツを着ている見るからに怪しい奴に声をかけられればそうもなる。
唯一の入口である扉を背にしてもたれかかる状態で立ちながら、青年は赤い髪の男の反応にマスクごしに少しだけ口角をあげていた。

「俺のことずっと見てただろ、アンタ。何か、御用でも?」
「...............」
「だんまりか..まあ、用がないなら、別にそれでもいいけど」
「.........待て。お前、ここで何をしていた?」
「......さあな。何をしていたように見える?」

ショットガンを片手に、青年は目の前の真っ赤な髪の男に対して、サングラスごしに、マスクの奥で静かに嗤う。
火花を飛ばしながら、意味を持たなくなってしまった機械が男の背後でバチバチと音を立てていた。損傷部はひどくえぐられていて見るからに壊されている..酷い様だ。
扉を背に寄りかかりながら、首を傾げ、青年は手を肩くらいまであげると、呆れたようなポーズを取り、赤い髪の男へと問いを返す。
その時、不自然なくらいに持っていたショットガンを見せびらかしているようにも見えた。

「ここがなんの意味のある部屋で、俺がコレを片手に一人でナニをしていたか..言わずとも、分かるだろう」

ここは、外部との連絡用の機材がおいてある、いわば通信室だ。
それが今、破壊されている。
いつからか、という確証はないが、この船内には現在、目の前の男を加えても四人しかいない。赤い髪の男が破壊したというわけではないのなら、それを出来る人間は、目の前にいる青年しかありえないわけだ。
それに、壊された部分を見る限りでは、散弾銃か何かで破壊したかのような傷になっている。青年の手に握られているものはまさしくソレだ。証拠としては、これだけでも十分だろう。

ということは、だ。

「通信機を破壊したのか?..お前、何者だ。何が目的でここにいる?」
「何者かも分からないような不審者が、それを答えるとでも?まあ、一つ言えるとしたら、そうだな...俺はアンタと同じ、だよ」
「...なに?」

ますます不審に思った赤い髪の男は、眉を寄せながら、ハンドガンの銃口を青年へと向けた。
通信機を破壊した。なんて、どう考えたって普通の人間じゃない。いや、そもそもここにいる時点で普通ではないのは一見なのだが..まるで、何か意図があって動いてでもいるような、危険な雰囲気だ。
銃口を向けられ、いつ撃たれてもおかしくない状況にも関わらず、青年は顔色一つ変えずに、平然と腕なんかを組みながら男の問いへと皮肉交じりに答えた。
「お前と同じだよ」
何もかもを知っているような口ぶりで。
そんな青年の返事に対して、赤い髪の男は、さらに眉を寄せた。




作戦続行。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  mission3:真っ赤な影

「まあ、自己紹介はまた今度にしようじゃないか。どうせこんな狭い船の中だ、またすぐにでも会えるだろうさ..じゃあな、オニイサン」
「なっ、おい待..!......チッ、逃げたか..俺と同じだと?まさか、他にもアレを狙っているモノが......あいつ、いったい何者なんだ..?」


この人、眉ってか顔の部位全部寄ry
三話にして早速レイモンドとの出会い。展開は早くして行こうとおもてます。
ちなみに、レイモンドと会ったのはホール?二階の浮き輪の鍵がついてた扉の先にある部屋です。ジル達が二度目に会った場所で、ジル達がくる少し前の設定になってます。曖昧。

不審がったレイモンドが主人公を追って入って来たらばれてましたの図。



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