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 「ネオアンブレラに追われてたのか..!」



「あいつら、生きていたのか!」
「...........」
「イドニアから半年、行方が分からなくなってたんです」

内心うろたえていたグレーツのそばで、二人の存在に気づいたピアーズは、驚いたように声を出した。
クリスは、無言で二人を..見つめている。
二人というのは、そう、シェリー・バーキンとジェイク・ミューラー...この人物達のことだ。
エイダからの情報に書いてあったとおりならば、半年前に行方不明になったシェリーとジェイクの二人は、中国のとある施設に監禁されていたとのことらしい。
今この場にいるということは、抜け出したということなのだろうが、なぜこのような場所にいるのか..まあ、想像なら簡単につく。
なんて、二人の姿を見ながら考えていたら、不意に強い風か吹き、プロペラの回るような煩い音が聞こえてきた。
想像なら、簡単に、つく。
隊員達は焦ったように、建物の隙間から煩い音とともに出てきたヘリへと銃を向けていた。
あの二人は追われているのだろう、その施設に監禁した、何者か、に。

「ネオアンブレラに追われてたのか..!」
「...............」
「隊長!!」
「......総員散開!...バケモノどもを排除しろ」


思いつめたような顔で黙っているクリスに、ピアーズが待ちきれずにキャプテン、と急かすように叫ぶ。
クリスは、その声に仕方が無いとおもいきったのか、隊員達へと、指示を出した。
すると、隊員達はクリスに応えるように、すぐに動き出す。
グレーツはその言葉のあとに建物の影に敵からではなく、まるでクリス達から隠れるように入っていった。

「隊長、ピアーズ、こちらマルコ。ありゃ、重装甲ヘリだぜ」
「並の攻撃は通用しないか..」
「まずは、下の二人を助けることに集中するべきだろうな」
「隊長!そういえば、あいつはどこに?」
「今はそれどころじゃない、そんなことはあとにしろ。馬鹿じゃなければ今頃自分でなんとかしているだろう」

相変わらずひどい言い方、とグレーツは遠くで呟く。
一応、進展があったことだし、エイダに報告をいれておこうかと思って隠れたわけだが、これならジュアヴォから逃げたみたいな感じになっていてちょうどいいか。馬鹿みたいに戦っていて、こっちに目をやっている暇なんてないだろうし、グッドタイミング。やるなら、今しかないといったところだな。

通信用の携帯機を取り出し、簡単に文字を綴ったあとにエイダへと送信した。通信を繋げても良いかと思ったが、こっちのほうが楽だろうし、なにより相手と都合があうか分からないし、別にどっちだって良いだろう。


 どうも、そっちの状況はどうだ?
こっちは、あいにくまだ、エイダ・ウォンの情報はつかめていないが..変わりに、
ジェイク・ミューラーの行方を掴んだぜ。
中国のポサイワンだ。どうやら、ジェイク・ミューラーは施設を抜け出して女と逃避行をしているらしい。そのせいか、ネオアンブレラには追われているみたいだが、気に食わねえ顔でピンピンしてるみてえだぜ。
親子共々なかがよろしいようで、ホント吐き気がするわ。
そっちは何か進展はあったかい?姉さん

新しい変異も確認したが、それはまた後で、改めて送っておくことにするよ。



こちらから、そう送ると、すぐに相手から返事が帰ってきた。


 おあいにく。残念ながら、こちらも特に進展はないわ。
でも、そう..ついに会っちゃったの。良かったわね、会いたかったのでしょう?元御主人様さまの.....これ以上言うと怒られちゃいそうだからやめておくわ。いうだけ野暮だもの、ね?
それにしても..今の貴方の顔、すごく見たかったわ。
きっと、凄く可愛らしい顔をしているんでしょうね、簡単に思い浮かぶわ。ホント、一緒に居れなくて残念。
...依頼を破棄されちゃたまらないから、このくらいにしておくわ。いじめがいがあるのもたまに傷ね。
こちらも進展がありしだい、また送ることにするわ。じゃあね、坊や。

そうそう、言い忘れていたけれど、そういえば最近、貴方がお熱な彼に会ったわよ。相変わらず女難は悪いみたい。彼ってば、なにも変わってなくて、ちょっと安心しちゃったわ。いずれ貴方も会うことになるんじゃないかしら。縁があるなら..きっと、ね?

分かったわ。ウイルスの件は、また時間が出来次第送ってちょうだい。別に急がなくていいから。


最後の最後に、画面をスクロールしていくと「貴方なりに頑張りなさい」と訳の分からない励ましの言葉が書かれていた。
どう反応していいのか分からず、グレーツはなんとも言えない表情を浮かべる。
しかし、報告しなければ良かったという後悔の念だけはだだ漏れるくらいに感じられた。

「...はあ、さて、周りの様子はどうなってんだか」

「下の二人を守るんだ!ジュアヴォを一掃しろ!」

「あいつ、本当にどこいったんだ..?」

「...まだやってる、か..もう少しここにかくれてたほうが良さそうだな」

グレーツは一人小さく呟き、
良かったわね、会いたかったのでしょう?
というエイダの言葉を思い出していた。





今度はエイダとの通信で一ページ使うしまつ。
てか、ウイルス調査がメインのはずが新しい変異にまったく感心をしめさないけん。ぬかった(´・ω・`)←
(変異のやつは申し訳程度にいれておきました。後日談)

2に続きます。

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