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 「どうやらあの女ラクーンの再来をお望みのようだ」


「そっちは本職に任せるとして…私は私のやるべきことをするわ」

カーラの最後を、クリスが戦闘機で飛び立ったのを見届けたエイダは一人ヘリに乗り込む。

その後、不穏な通信が耳に入った。

『レオンか?今どこにいる!』
『クリス!俺たち…ヘレナと俺はターチィの外れに…』
『逃げろ!!!』

川を泳いで岸に上がったレオンとヘレナ。
近くにグレーツの姿はなかった。
はぐれたままでいることに一度は不安を覚えたレオンだったがあいつなら、と気持ちを切り替える。
そこにハニガンからの通信が入った。

「レオン、大変よ。シェリーと連れの男が何者かに連行されたわ」
「なぜ、あの二人を?」

疑問をくちにするレオン。
その疑問に。あっ、とヘレナは声に出した。
「記録メディア!さっきシェリーから預かった…」

レオンたちは記録メディアをPDAに入れる。
呼び出されたデータを見た二人は目を見合わせた。

「これは、どういうこと?Cウイルスの脅威から世界を救う方法って…」
「あの男だ…!それと…グレーツ!?」
「ど、どういうこと?」

あの男、とさしたのはジェイクのことだ。
映し出されたメモリーには、ジェイクとグレーツの2人の顔が映し出されていた。

驚きと困惑の表情をしていた時、
一つの通信が入る。


それが、先程のクリスからのものだった。


『レオン、無事か!?』
「ああ、だが、事態は最悪だ」

逃げろ、そうクリスが告げた途端、ミサイルが打ち込まれ、辺りにガスが充満した。
ゾンビで辺りはいっぱいになり、レオンたちは最悪の事態を理解する。

「くそっ!」
「クリス、こんな状態だが…いや、こんな状況だからこそよく聞いてくれ。人を救い出して欲しいんだ…1人はシェリー・バーキン」

焦るクリスに、レオンはそんな依頼を出す。
そして、先程知った事実を告げた。

「もう1人はジェイク・ミューラー。あの、アルバート・ウェスカーの…息子だ」
「ウェスカー!?」
「そしてグレーツのことだが…」
「それ以上は、言っちゃあ酷だと思うぜ」
「グレーツ…近くにやはりいたのか」
「ああ、まあ…息子がいた、その事実だけで十分だろう」

通信機のマイクを塞ぎ、グレーツはレオンにそう告げた。
そうか、とクリスの納得を告げる声が通信越しに聞こえてくる。

「…ジェイクにその自覚はない。だか、お前は違うな…分かって、いたな」
「ああ、生まれた頃から」
「……俺はアルバート・ウェスカーとの接点は少ない。だから、お前を…差別したりはしないさ」
「ありがとう。だが、人間じゃないっていうのは…」
「なに、俺たちもだいぶ人間離れをしてる。少し生まれが違うくらい何の問題もないだろう?ただ、隠されていたことには怒りを感じている」
「悪かったよ、と言えば許されるか?」
「これ以上何も隠し事がなければ」

ハハッ、とグレーツが笑う。
隠し事…これ以上のもの、ね。
エイダと繋がっていたこと知ったら、レオンはどう思うかな。

「ジェイクは…俺たちはCウィルスの抗体を持っている。そちらは、頼んだぜ、クリス」
『…わかった。あとで、お前のことも聞かせてもらうぞ』
「お互い生きてたらな!」

茶化したようにグレーツは言う。
その言葉を聞いて、クリスは一瞬言い淀んだあと、とある事実を告げた。

『レオン、俺からも伝えたいことがある……エイダ・ウォンは死んだ』
「……わかった、とにかく2人を頼む」

言葉を一瞬失ったレオンに、ヘレナが声をかける。

「レオン、平気?」
「ああ……生きている人間のために今は行動しよう。グレーツ、お前もくるだろう?」
「ん?ああ、悪い少し用があるんだ」
「他の隠し事か?」
「いや、まあ……後で話す」

通信機が着信を示していたことにグレーツは気を逸らしていたがレオンに呼ばれ、気を戻す。
エイダの件と、この通信は関係があるだろう。
ひとまず、グレーツはレオンたちから離れることを選んだのだった。


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一旦区切り、
ネタバラシ、案外あっさりしてしまいましたがクリス編ではもう少し多分ちゃんとするかと。
次、エイダと合流です。なぜかと言うとシモンズ戦が長いからです。

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