<3.5/3.5>

 「俺たちの目的はB.O.W.の残滅だ」

→ピアーズ


「各員、状況を伝えろ!」
「こちら、ピアーズ。三階にいます」
「隊長!ジェフが..ジェフがどこにもいねえ!」
「落ち着けマルコ!いまどこに居る!」
「二階だ!くそっ!ヤツの痕跡もあるぞ!」
「ターゲットは二階にいる。二階で合流するぞ」

「なあ...いい加減さ、俺の存在に気づいてくれても良いんじゃねえの?」
「!...なんだ、お前も同じ場所に落ちてたのかよ」
「..そう、あからさまに嫌そうな顔をすんなよ。こっちだって好きでアンタといるわけじゃねえんだから」
「............」
「ま、正直アンタで良かったとは思ってるけどな。他の奴よりは断然マシだし」

クリスは一階、マルコは二階、ピアーズは三階と、みんな綺麗に分散されたかのように別々の階に落ちていた。
どうやら、グレーツは三階..ピアーズと同じ階に落ちてしまったらしい。
これは、運が良かった、というべきか。
一人でなんてのは論外だが、クリスやマルコなんていう隊員と一緒になるよりは、まだこいつと居た方がはるかにマシだ。
まあ、面倒くささではこいつが一番勝っているが、一切わだかまりのない奴なんてもともといなかったわけだし、そこまでは気にしない。
ピアーズはグレーツの存在に気付いた瞬間、何故か嫌そうな、安心したような、複雑そうな顔を浮かべていた。





「あんた、本当は救助なんか求めてねえだろ」
「はあ?..んだよ、急に世間話しでもしたくなったのか?」
「茶化すなよ。さっき、戦ってたあんたの姿、とても救護なんていらないって感じがしたぜ。あの身のこなし、単なる一般人ってコトはねえよな..いったい何者なんだ?」
「...さあな。少なくとも、いまはただの民間人さ」

下へ降りれそうな場所を探してまわっていた時に、ピアーズはふいにそんな質問をグレーツへと問いかけた。いままで、ずっと思ってきていた違和感..その疑問をなげかけたのだ。
グレーツは、ピアーズの言葉に、一瞬何かを考えたようにうつむいたが、すぐにいつもの皮肉げな表情へともどり、楽しげに笑った。

「..何がおかしい?」
「いんや、別に。あんたの顔が真面目過ぎて..ただちょっと、雰囲気に耐えられなくなっただけさ」
「............」
「ま、なんていうか、職業柄強くて疑われるのも分かるが、誰がどう助けを求めたって自由だろ?強いとか弱いとか関係なしに、帰り方が分からなくて途方にくれてたから救助を要請したわけだしさ」
「.....職業柄?」
「ああ..書いてなかったか?俺が警備員をやってること。ま、しがない会社のばっかりだけどな。だから、一応銃やら何やら一通りの戦闘知識は学んでる。そういうわけで、身のこなしが一般的には見えなかったってわけだな。それなら、おかしくはねえだろ?」
「は?なんだよそれ、嘘くせえ..」

もちろん、嘘だ。
警備員なんてやったことは一度もない。口からのでまかせだ。
エージェントなんて、人を見守るコトに関しては似たような仕事だが。

「..ま、そうやってアンタもアンタで職業柄疑うのは仕方ないとは思うがね。だからって、そのせいでテメェを疎かにすんのだけは止めろよ。面倒事はゴメンだし、なにより、隊長様に迷惑かけんのは良くねえだろ?...いまはその隊長様の方が迷惑をかけてるわけだが。アンタも大変だなあ、復讐貴くんのお守なんてさ。まあ?惚れた女一人すら守ってやれなかったようなやつには、お似合いな状況だとは思うがな」
「な..テメェ、なにいってやがっ、」
「さてと、んなけとより、そろそろ隊員さんと合流しようぜ。待たせたら、おいてかれそうだし。そういや、さっき下にいけそうな穴をみつけたんだよ、そこに行ってみようぜ」
「はあ!? あ、おい!まだ話しの途中だろうが!勝手に行くんじゃねえ!」

勘ぐるのも程ほどにな、とグレーツはピアーズへと皮肉をこめながら釘をさし、スタスタと先に言ってしまう。
そんなグレーツを、ピアーズは、とっさに後を追いかけていった。






――――
クリスとの変化を下さい(´・ω・`)←

一応、ピアーズの方はおまけ的な感じにしています。クリスが本編で。
とりあえず、ピアーズとの喧嘩腰の絡みが書いてて凄くたのしかったです(自己満

ちなみに、ピアーズに対して言ってる惚れた女ってのは、まあ、あの某公式連動漫画でのことです。ちょっと捏造入ってますが。

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