<2/3.5>

 「俺たちの目的はB.O.W.の残滅だ」




「くそっ...なんて、ひどい..」

ヘビ型のB.O.W、イルジヤを追って、建物の中に入ると、荒らされた室内のなかに、BSAAの隊員の惨い死体が転がっていた。
一人の隊員は、それを見つけて顔を歪め、怒りをあらわにする。
グレーツは、遠くからそんな彼らを無言で、何も言わずに眺めていた。

「今のは..!?」
「ヤツだ、間違いない..」
「チクショウめが!姿を見せやがれ!」

イルジヤを発見し、隊員達は個々に騒ぎ立てる。
目の前にいきなり現れたそれに驚く者もいれば、怒りをぶつける者。
グレーツはどれに当てはまるわけでもなく、イルジヤが通り過ぎるのを暇そうに目で追っていた。

「? なんだ..あいつ?んな場所で単独行動とか、馬鹿じゃ..... 危なっ」

クリス達のあとに少し離れて動いていたら、なぜか先ほどクリス達と共に行動をしていたであろう一人の隊員が、他の奴らとは違う方へと警戒しながら歩んでいった。
何事かと、グレーツは疑問を浮かべ、そいつを目で追う。
暫くの間見ていると、つんざく悲鳴とともに先ほどまで目で追っていた人物はイルジヤにくわえられるかたちで目の前をものすごいスピードでクリスたちのもとへと駆け抜けていった。
その存在に気づいたクリスたちは、とっさに銃を向けようとした瞬間、イルジヤにくわえられていた人物の銃が暴発し、あたりなんてなしに弾が撒き散らされ、クリス達はうろたえる。
何も出来ずに立ち尽くすしているクリス達を嘲笑うかのように、イルジヤはくわえていた隊員をそのまま引きずって何処かにつれていってしまった。

「隊長!? 危険だ!」

そんな隊員の最後を目の当たりにし、クリスはとっさに引きずられて行った隊員の後を追って行く。
そのクリスの行動に驚き、ピアーズは慌てて彼の後をおった。

「一人で突っ走るなんて、なに考えてんだ!」
「...決めるのは、俺だ。ついて来れないヤツは切り捨てていくぞ」
「今、なんて..」
「.........黙って、俺の指示に従え」

完全に頭に血が上っているクリスには、何を言っても無駄だ。
後を追いかけていたグレーツは、クリスのその呆れ果てた言葉に、心底嫌気がさしていた。
それは、ピアーズも同じであったらしい。
こちらに振り向いたクリスと目があうと、数秒間の睨み合い。
こちらが目をそらすと、クリスはピアーズをもおいて先に進んで行ってしまった。
やれやれ、とグレーツは首を振る。
ピアーズも、そんなクリスに「隊長に続くぞ」と、しぶしぶの言葉を発して続いていった。







進んで行くにつれて、みるみるうちに隊員達は減って行き、ついにはグレーツを入れても10にも満たない程度にまでなってしまっていた。

「いたぞ!下だ!下に降りた!」
「逃がさねえぞ、くそったれが!」

垂れ下がっていたロープのようなものをつたい、クリス達は下の階へと移動していく。
中央部分に差し掛かった時、クリス、ピアーズ、マルコ以外の隊員達を目掛けてイルジヤが牙を向けてきた。
ロープごと隊員達は食いちぎられ、その繋がっていたロープに捕まっていたクリス達はヘビに引きずられ、近くにあったベランダへと放り投げられる。
見事、残ったグレーツ以外の三人はバラバラになるかたちでそれぞれ違う階に行き着く羽目になった。





完全に会話がありません!やっぱり別れさせるんじゃなかったかなあ..(

次ページは選択式にしようかと思っています。クリスと共になるか、ピアーズと共になるか、みたいな。


3、3.5に続きます。


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