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「ネオアンブレラに追われてたのか..!」




はあ、と何度めかのため息をはくグレーツの耳に「残敵、わずか!」という声が聞こえてきた。
やっとか、とグレーツは建物の隙間から顔を出す。
辺りを見回し、敵が居ないことを確認してから外に出ようとした瞬間だ。一機のヘリからミサイルが下にいたジェイクめがけて発射された。間一髪で彼はよけ、なぜかそれを見ていたグレーツがホッと心をなでおろしていた。

「隊長、ヘリが退却!」
「先を急ぐぞ」
「あの二人を保護しましょう!アイツらだけじゃ危険です!」
「放っておけ、行くぞ」
「おいおいおい、ちょっとまてよ」
「!...あ、お前今までどこに、」
「んなの、隠れてたに決まってんだろ。あんなヘリを目の前にして平然と立って居られるほど俺は訓練されてないんでね。それより、まさかとは思うけど俺のことまで置いて行くつもりなんじゃねえだろうな?」

まあ、平然に見てはいたけど。
仕事が出来なくなることにたいし、焦ったグレーツはクリスに食ってかかるように声をあげる。

「...ここならヘリを呼ぶこともできるだろう。保護できる場所までの間、という約束だったはずだ」
「は?ふざけんじゃねえ、さっきまで奴らがわんさか居た場所だぜ?こんな場所で救助を待てっていうのかよ。マジでふざけんなよ」
「お前..なにかと理由とっつけて、いったいどういうつもりだ?んなこといってたらキリがねえよ」
「なんだって?」
「そもそも、お前本当に救護者なのか?まさか、なにか企んでるんじゃねえよな?」
「...はあ?なにいってんだか。なにかと理由とっつけて厄介払いをしてえのはアンタらのほうじゃねえのか?ここならヘリが呼べるねえ..いつくるんだよ、それ。さっきまで危険だった場所にいつ来るかも分からねえヘリを待つために居ろってのか?笑わせんじゃねえ、しねってのかよ」
「............」
「...分かったよ、いいさ。もうアンタらには頼らねえ。何を言ったって信じてもらえそうにねえしな、もうこっちの好きにさせてもらうさ」
「...なに?」
「アンタらがその気なら、俺は守ってくれとまでは言わねえってんだよ。最初に約束したこと以上に、自分の身は自分で守ることにするし、そこまで深く関わったりはしねえようにするさ。俺はな、ただついて行かせてくれればいいんだよ。だからさ、一緒に、いさせてくんねえ?」
「..なに勝手なこと言って、」
「...分かった、いいだろう。好きにしろ」
「た、隊長..!?」

グレーツの身勝手な言い分に、そこに居た全員が唖然とする。
勝手について行く。そんなことが許されるわけがないのだ。邪魔にならないという保証はない。
ピアーズは目をまるくし、呆れたように拒絶の言葉を返そうとした..が、それを遮るように拒絶とは反対の言葉をクリスは返した。
ピアーズを含めた隊員達が、なにを言っているんだと驚く。
そのなかには、グレーツも含まれていた。

「......マジで言ってんの?」
「構うだけ時間の無駄だ。そうしたいのなら勝手にすればいい。ただし、こちらの邪魔になるようなら..」
「..しねえよ、わざわざ厄介に巻き込まれる気はねえし」
「わかっているならそれ以上いうことはない。先に進むぞ。マルコ、ここのカギを破壊しろ」
「............なんだかなあ」

気持ちに任せて言うピアーズとは違い、クリスは冷静にふざけた意見に対応をした。
なにかしらの返答は望んでいたが、まさかここまできれいに受け入れられるとは。
これは、グレーツにとっても予想外だが嬉しい出来事であった。

何事も無かったかのように扉を破壊し、クリス達は先に進んで行く。
置いていかれたグレーツは、早足であとをついていった。

「隊長..本当によかったんですか?あいつ、マジでついてくる気ですよ」
「.........勝手にするといっているんだ、構う必要はない」
「ですが..こうなった以上死なせるわけにもいかないですし、やっぱりやめさせたほうが」
「その必要はない、好きにやらせておけ」
「.........わかり、ました」

クリスの言葉を受け入れられないピアーズは、ついてきているグレーツを見ながら歯切れ悪く返事をした。




この時、クリスはグレーツが普通ではないというコトを、疑問から確信へと変えていた。





分かれ道
(ココロの別れ)

「...やっぱ、一人のほうが気楽で良いなあ」

――――
いきなりの別行動(同じ道)
こっから会話どうしようかと..まさかのボッチになりそうです←

つか最初に目を離すなって言っといて放置発言とか矛盾しまくりですよね(´・ω・`)

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