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 異なる訪問者



???「う..っ」

アニー「あ、ダメですよ!まだ動いては..」

???「あ......アンタ...誰だよ、つーか..ここ、何処だ..」

アニー「えっと..ここは、アドリビトムというギルドの医務室の中です。船の方が、傷付いたあなたを街の外で見つけ、ここに連れてきてくれたんですよ......あの、ロックスさん、とりあえず彼が目を覚ましたという事を、アンジュさんに伝えて来てもらえませんか?」

ロックス「あ、はい!分かりました!すぐに伝えて来ます!」

???「倒れてた?オレ、が..?」

アニー「はい、魔物にやられたのだとは思いますけど...心当たりは、ないんですか?」

???「悪いけど、全くねぇな..訳分んねぇ」

アニー「そう、ですか..」

ウィーンとドアの開く音がなる。

アンジュ「橙髪の青年が目を覚ましたって本当?」

アニー「あ、アンジュさん!はい、つい先ほど..」

???「ん?」

アンジュ「私はこのアドリビトムのリーダー、アンジュ・セレーナよ。あなた、名前は?」

???「え、ああ、名前..?あー、えっと.........確か、リルトだ。そんな名前だった気がする…」

アンジュ「なんだか突っかかるような言い方だけど...リルトくん、でいいのね?」

リルト「....ああ」

アンジュ「あなたは何故あんな場所に居たの?あそこは魔物も多いし、一人で行くには危険な場所だと思うのだけれど」

リルト「ずいぶんといきなりだな....いやさ、それはそこのお嬢ちゃんにも話したけど、知らねえんだよ。オレだって目が覚めたらこの消毒臭い部屋にいきなり居たわけで、頭こんがらがってんだ」

アンジュ「覚えてないってこと?そう..まあ、いいわ。じゃあ、とりあえずあなたの住んでいる街は?ずっとここに居てもらう訳にもいかないし、行ける範囲までならどこへでも送り届けるから」

リルト「街...........いや、だから、それさ....悪いけど、知らねえんだわ」

アンジュ「え?知らない..?......それって、どういう事?」

リルト「名前以外何にも思い出せねえんだよ、何者なのかってコトすら」

アニー「もしかしたら、酷く頭を打たれていた様ですから...打ち所が悪く、記憶を無くしてしまったのかもしれません..」

アンジュ「それは、記憶喪失..って事でいいのかな?」

アニー「はい」

リルト「記憶喪失?ああ、どうりで頭が痛いと..」

アンジュ「記憶喪失じゃ..知らない場所に置いていく訳にもいかないし、ここに居てもらう事になるのかなあ..」

リルト「別に頼んじゃいねえけど、そうできたらありがたいね。良いのか?」

アンジュ「乗りかかった船だもの、しょうがないじゃない。ただし、」

リルト「...?」

アンジュ「働かざる者食うべからず。代わりに、あなたにはしっかりとギルドの仕事をやってもらいますけどね」

リルト「は?」

アンジュ「嫌とは言わせないわよ?あなたは私たちが助けなければ今頃ない命だったのかもしれないのだし、命の恩人に..なにも返さないって事はないわよね?」

リルト「え...いや、その..」

アンジュ「ねえ、リルトくん?」

リルト「は......はい、喜んで働かせて頂きます..っ!」

アンジュ「よろしい。じゃあ、あなたの名前も名簿に載せておくから、キリキリ働いて頂戴ね?」

リルト「キリキリって......オレまだ起きたばっかなのに..」

アニー「あ、あまり無理はなさらないで下さいね..?」

リルト「.........はああ〜…」


リルトが仲間に加わった!



―――――
面倒になったのでスキット風にしました。
リルト加入を後か前か悩んだけど、とりあえず憲兵という事で先にした。ユウくん加入より一ヶ月前くらいのお話しです。





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