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 ようこそ、バンエルティア号へ



「まずは、機関室へ行きましょう?そこで簡単な説明をするわ」

そういうと、カノンノはユウの手をひいて、機関室へと移動した。
機関室へとつくと、カノンノは改めてといって、自己紹介を始めた。


「私は、カノンノ・イアハートよ。よろしくね、ユウ」

「ああ、よろしく..イアハート。」

「うん。えっと..まずは、ここについて説明するね?ちゃんと覚えておかないと、後から困るから、しっかり聞いてて。」

「ああ。」

「ここ、機関室はね、仕事を受ける場所なの。」

「仕事..?」

「この船はね、人々から寄せられる依頼..クエストを請け負うギルドを運営しているの。......まあ、まだギルドを立ち上げたばかりで、あんまり依頼は来ないんだけれどね。今じゃ、ここにいる..私を含めた皆の依頼ばっかりだし」

「カノンノも、依頼..するのか?」

「え?..うん。そんなにたいした事じゃないけど、たまにね。」

「そうか。......イアハート、もし今度、依頼をする事があったら、俺にやらせてくれないか?」

「え..そんな、悪いよ!」

「?....やりたいからやるだけだし、なにもそんな気はない。ダメか?」

「う、ううん!えっと..ありがとう。...そ、それじゃあ、ユウ。これから、頑張ってね!」

「ああ。」


そう、微笑ましく笑いあっている最中に、「そうだ」と、カノンノが何かを思い出したように呟く。


「仕事の前に、皆に挨拶をした方がいいかな?依頼の効率も上がるだろうし..それに、皆、空から降ってきたあなたの事に、興味深々だったみたいだから」


「そうだな」と一言答えると、カノンノはまずはホールからと、俺を案内して連れて行ってくれた。



* * * *




「こんにちは、新入りさん!まだ、自己紹介をしてなかったわよね?」


ホールへいくなり、一人の少女が声をかけてきた。「..?」と首を傾げると、カノンノが、自己紹介!と俺の肩たたく。


「えっと......ユウ、だ。」

「あたしは、ルビア・ナトウィックよ。神官見習いなの。よろしくね!」

「オレはカイウス・クオールズだ。よろしくな。」

「ああ...よろしく。ナトウィックに、クオールズ。」


よろしくと、軽く微笑んでみせるたら、カノンノもニコニコと笑ってくれた。


「でも、よかった。カイウスよりステキな人で。これから楽しくなりそう!」

「な、なんだよっ、その言い方はっ!オレじゃあ楽しくないってのか!」

「そうよ、言った通りよ!文句ある?」

「あるよ!当たり前じゃないか!大体、お前ってヤツはさあ!」


ユウは、いきなり騒ぎだした二人に、目をぱちくりとさせる。カノンノは「またやってる」というように苦笑いながらも、ユウの事に気づき、二人の制止に入った。


「あ...ごめんなさい。えっと、じゃあ..改めて。ユウ、これから、よろしくね!」

「わ、悪いのはルビ......い、いや!..これから、よろしくな、ユウ!」


短く返事をして、ユウとカノンノはその場を立ち去った。
また喧嘩を始めそうな勢いだった二人に、ユウの死角から静かに笑いかけていたカノンノがいたりしたそうな。













▽.おまけ

「カノンノって、たまにスッゴく怖い笑い方するよな..」

「それは、カイウスが変な事するからじゃないの。私は見たことないもの」

「お前だって見てるって!ほら、さっきの笑い方とか..」

「さっきって?別にカノンノは普通だったじゃない。」

「え..?」




―――――
カノンノが黒くみえるのは男性だけ...あ、出さないつもりだったけど、黒くなってしまっ..きっと、今回だけです(;´・ω・)





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