「お疲れ様、バージル!!」
「これはいったい……?」
「ん?まあ、いつも世話にはなってるし、その礼がずっとできてなかったよなぁって、こいつが言い出して」
「俺とキャットで、バージルさんにって色々考えて、最近疲れてたみたいだから、少しでも癒してもらおうと思ってさ!ダンテもなんやかんや乗り気だったくせに〜」
「あぁ゙!?俺はお前らがどうしてもっていうから付き合っただけだろうが!」
「お前ら……」
「め、迷惑だった……?」
「いや……嬉しいよ」
「ふふ……よかった!!」
「ありがとう、みんな」
「こちらこそ、いつもありがとう、だよ!バージルさん!」

みんなで笑い合う声が室内に響く。
それは、とてもとても楽しげな、暖かい夢だった。

「......!!」
「あ、おはようバージルさん...って、どうしたの?すごい顔だよ」

目の前には、いつもの殺風景な風景。それと、見慣れた人物の顔。
ああ、そうか、さっきのは..悪い夢だったのか。

「ん、あ、ああ..寝てしまっていたのか」
「バージルさん..?......もしかして、ダンテのコトでも思い出してた..?」
「......いや、別に。なんでもないよ」

そんなことは、ない。今の生活に不満があるかと聞かれたら、きっと満足とは言えたものではないだろう。しかし、俺は今を後悔したことはない。
なんでもないと答えた俺の言葉に、彼の瞳が一瞬影を含んだのが見えた。

「バージルさん..ねえ、バージルは、僕だけじゃ不満なの?」
「そんなコトはない」
「僕はね、バージルが居てくれればそれでいいって思ってるよ。でも..君は、違うの?」
「馬鹿なコトを言うな。俺も、お前と同じ気持ちだ」
「でも、ダンテと、また一緒になれたらとかって、考えたりしてるんでしょ」
「そんなコトは思ってない」
「どうして、僕じゃダメなの?僕は..やっぱり、ダンテの代用品にすらなれない中途半端な─」
「違う!勝手なコトを言うな!!」
「........バージル、さん…」
「あ、いや...いきなり怒鳴ったりしてすまない。そんな顔をしないでくれ..違うんだよ。お前は..ダンテの代わりなんかじゃない。俺にとっても、お前は..」
「うん..いいよ。疑ったりして、ごめんね..バージル」
「いや、いいんだ。俺こそ..すまなかった」
「謝らないでよ..君はなにも悪くない」
「................いや、すまない…」
「バージル...僕はね、分からないんだよ。君の気持ちが..僕自身の気持ちが、分からないんだ。ごめんね、でも..好きな気持ちは嘘、じゃないと思う…本当なんだって」
「.........なら、お前は..俺と居るのは、不満か?」
「うん。そうだね..」


満足といえば、きっと嘘になる。でも、
影がかっていた瞳を彼に向ける。顔を上げたことで、光が瞳にさした。

「後悔は、してないよ。今、僕は君といられて嬉しい……幸せだよ、バージル」
「……そうか」


君と居れるなら、僕は。
お前が居てくれたら、俺は。
もう何も。



久しぶりにインフルの修正をしたので、その後の二人をちょっとだけ。お互いに依存し合う堕ちた二人という感じで、一応ダウンフォールエンディング後をイメージして。更新は難しいかなって感じだったのでこっちで失礼しましたです。


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