稀有なる日



「桐生だ」

携帯ごしに、桐生さんの声が響いた。
名前を言えば、お前かという言葉が返ってくる。

「いきなりの電話すみません。あの、今 空いてます?」
「ん?ああ、特にこれといった予定はないが」
「そうですか なら、良ければ今から一緒に、どこか飲みに行きませんか?」
「飲みに? 珍しいな、お前が人を誘うなんて」
「ええまあ。たまには、その 良いかと思いまして。迷惑でしたか?」
「いや、そんな事はない」

返答に「良かった」と安直の息を零せば、桐生は電話ごしに軽く微笑んだ。
その後、行く所について問いかけられ、青年は少しの間沈黙する。

「そうですね とりあえず、それは会ってから決めませんか?集合場所は、ミレニアムタワーとかどうでしょう」
「ああ、それで構わない」
「じゃあ、今から私も向かいますので」
「近くにいるから、俺の方が早くついてしまうかもな」
「それなら、待たせるのも悪いですし、急いで行かないといけませんね」

そう言えば、桐生さんは何かおかしく聞こえたのか、フッと笑った。


「もう、切るな」
「ええ あ、ちょっと待って下さい」

何かを思い出したように青年は呟く。
桐生がどうした?と問いをかけると、

「..おめでとうございます、四代目」

照れくさそうにわざとらしく一つ咳をすると、
ただ一言、そんな言葉を口にした。






(はっぴーばーすでー)


え?ああ、そうか 今日は誕生日だったな。

そうですよ、忘れていたんですか?

いや、最近ごたごたが続いていたからな..なるほど、だから今日は遥に家を追い出されたわけか。

愛されてますね。

ん?  フッ、まあ そうだな。







誕生日の時に上げたものです。
主人公くんはOTEと同じ。



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