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 出会って始まる



返り血で真っ赤に染まってしまった服、近くには倒れている数人の不良達。
周りからは、嫌な視線と不安がる言葉が聞こえて来る。
喧嘩をした後なら、当たり前の現状だろう。
成司は、慣れているのか気にも止めず、ただ無表情な顔で頬についている血を拭った。

「自分、随分派手に暴れたみたいやなあ」

そんな中、見知らぬ声にいきなり後ろから声をかけられた。陽気な関西弁の男の声だ。
成司は、特に振り返ったりはせず、声の主にただ怠そうに「何か用か」と問いをかける。
すれば、後ろの人物はケラケラと嫌な笑いを飛ばした。

「通り掛かったら、なんやえろう血まみれなんが目に入ったからなあ 気になって声をかけてみたまでや」
「そうか なら用は済んだ訳で、もう目の前から消えてくれるんだな」

そう皮肉混じりな言葉を言いながら、後ろへと振り返る。そこには、いかにも一般人ではないという風格の見た目をした男性が、ニヤリと不敵な笑みを浮かべている姿があった。

「生意気なボウズやな」
「坊主だと?私はそんな年じゃないぞ」
「ほう、ほんなら自分なんぼやねんな?」
「二十六 とっくに成人をしていて、酒だって飲める」

目の前の男性は、年を聞いた瞬間大袈裟ともとれるくらい目を大きくぱちくりとさせた。
その態度に、成司は「失礼な奴だな」と不愉快だと言うように、仏頂面で彼を睨みつける。すれば、今度は変わって、男性はいきなり大声で笑い出した。

「自分ごっつおもろいやん 気に入ったで」
「は?」
「ちっちゃい癖に、強いんやろ?最高やんか、おもろ過ぎるわ」
「喧嘩売ってるのか、おい」

男性はケラケラと、勝手な事を言いながら楽しそうに笑う。
その態度に、成司は嫌そうに顔をしかめた。


「自分、いつもここら辺に居るんか?」
「............あ?」


「なんだいきなり 居る場所なんて、いつも違う」
「そうか、また会いたいなあ 思たんやけど」
「いや、そんなの困る」
「せや、連絡先教えとくさかい、暇ある時かけて来るか、住所んトコ訪ねるかしてくれへんか?これでお別れなんて寂しいからな」
「は?何勝手な事言って おい、人の話しを聞..」

一方的にそう言って、男性は一つのメモを成司の懐へと忍ばせると、こちらが言葉を言い終わる前に「ほな」と片手を軽く振り、背を向けてそのまま歩いて行ってしまった。


その背中を、唖然と見つめ、成司はただ一人たたずむ。
嵐が去った後かのように、静かになった。
どっと溢れてきた疲労感に、成司は小さく息を吐く。

いまだに転がっていた、死体にも似た物体の一つを八つ当たりのように軽く足で弾いた。
なにもこれも、こいつらに絡まれていなければこんな面倒事に巻き込まれずに済んだのだ。
渡されたメモの側面を眺めながら、成司は舌打ちをすると同時に、今度は転がっている物体に思いっきり蹴りをいれ、
小さく聞こえたうめき声に重ねるように、コツコツと靴音をたて、そのままその場を後にした。


先ほど無理やり渡されたメモは、何故かクシャクシャにしてポケットの中にしまっていた。






極道になる前の話し。
入る前にすでに兄さんには会ってた..というか、これがきっかけで極道に入ったとか良いなあとか思って(*´・ω・`)

それにしても、OTE夢から随分広がっt(まず書き終われよ

※後日少し修正する予定です

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