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波乱的な
「成司!」
「六代目、 無事だったんですね」
ヒルズの二階にある食材売り場に入った途端、大きめな声で呼び止められ、見ればそこには大吾さんの姿があった。
どうやら、食品も豊富あるここを避難場所に選び、民間人共々逃げのびていたようだ。
「成司こそ、 無事だったんだな。 連絡もつかないから、 何かあったのかと」
「この現状だと、 何かない方がおかしいと思いますけど」
と言えば、大吾さんは苦笑い「怪我は?」と問う。
成司は「見ての通り」と無事なのをみせ、アンタこそ とぶっきらぼうに言い放った。
聞くだけ野望。どちらも見ただけでわかるくらい、以前あったまま、無事の姿だった。
「そういえば、 真島さんはどうしたんですか」
「あの人なら、 まだ街の方にいるみたいだ。 でも、 さっき連絡を入れたらしいから、 すぐに来るんじゃないか?」
「そうですか... まあ、 どうせ、 この状況を楽しんで暴れ回ってるんでしょう、 ゾンビ相手に」
成司は呆れながらにそう言う。
あの人の性格を考えれば、確実だ。無意味にゾンビを倒しまくっているんだろう。楽しそうでいられる彼が羨ましいくらいだ。
そんな事を考えながら、思い立ったかのように成司は不意に踵を返す。すると、大吾さんが「どうした?」という顔をした。
「いえ、 私もゾンビの相手をしてこないと、と思いまして」
「いや.. 待て、 成司はここにいろ。 銃も扱えないお前が出たって危険なだけだ」
「別に大丈夫ですよ。 銃に頼ってるような人達なんかより、 強いですから」
大吾さんは「でも、」と踏ん切りがつかない様子の視線をこちらに送る。
心配されるのは嬉しいが、こんな下っ端の部下一人を過保護にするのは如何なものか。この人がこんなだから、周りから嫌な目でみられてしまうのだ。
「それに、 他の人達は危ない中戦ってるっていうのに、 私だけ守られる側につくわけにはいけないでしょう」
「だけど、 成司、」
「まあ... それでも駄目だって言うのなら、 私は無理にでも行きますけどね」
少し皮肉をこめて、私はあなたの部下なのだ、と言う。しかし、大吾さんは未だ吹っ切れずに、待てだの行くなと目で訴えている。
そんな彼に成司は、いやさ、と呆れたような表情をしてから「死んだ人にまで恨まれるのは、流石に嫌ですから」と続けて呟いた。こんな時くらい、心配性も程ほどしてほしいものだ。
すると、大吾さんは仕方ないというように、一つ息をはくと、言っても無駄だと諦めたのか、ただ一言「気をつけて」と言い、小さくため息をはいた。
旺盛な彼
(再会を喜ぶ暇くらい欲しい)
「こんな時くらい、 言うことを聞いてくれてもって..(それは、 単なる俺のわがまま.. だよな)」
「六代目は、 相変わらずだな(まあ、 嬉しいっちゃ嬉しいから、 こういうのも嫌じゃないけどさ)」
ショッピングモールにての会話。
大吾は心配性のヘタレです←
次で真島と再開の予定です(`・ω・´)
(2012/8/8)
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