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 お叱り



そこは地獄とかしていた、とでも言うだろうか、
目的地であった神室町ヒルズについたまでは良かったのだが、そこはすでにゾンビで溢れかえっていた。脱出して来る前よりも、酷い状況にも思えるくらい、たくさんのゾンビがいた。
泣きわめく声が、悲鳴の声、いくつもの銃声、聞こえるの怯えだけ。大層な奴らだって集まっているであろうこのヒルズまでもが襲われてしまうとは、これが地獄絵図というものか。


「確か、 六代目も居るんだったか」


何はともあれこの社会に居られる要因であり、一応尊敬している面だって一つくらいはある東城会の会長様。それを失うのは、東城会はもちろんの、きっと私にとってもおおいに困ってしまう事だ。
こんな危険地帯に入らなければならないのか、と面倒だと思う半面、六代目の安否に焦りを募らせた。
あの人がどこに居るのかはわからないが、とりあえず行けば出会えるだろう。
ビルの最上階、そこジッとを見据えながら、成司は決心づけたかのように「ふう」と一息をつくと、ゾンビの巣窟、地獄へと足を一歩踏み入れた。


「おい、 お前今までどこにいってやがったんだ!」

そこで、背後からいきなり、怒鳴り声を浴びせられた。振り返れば、そこには口煩い幹部の姿。ああ、嫌な奴に捕まったな、と成司はあからさまに顔をしかめた。

「六代目に呼ばれたから来れたってだけの奴が、 遅れるとはどういう了見だ。 周りの状況を良く見てみろ!」
「遅れたことには謝罪しますが、 周りの件について私は関係ないのでは」


多分、下っ端のくせに六代目と良く居るという異質な私を良いように思っていない人物の一人なのだろう。今回に関しても、元々下っ端でしかない私が、このセレモニー..集会に来れるはずはない。六代目直々に呼ばれ、来れることになったという異質の参加なのだ。これでは、目掛けだのお気に入りだの、言われるのも仕方ないというものか。
しかし、周りの事までを言われる筋合いはない。名前は覚えていないが、相変わらずこいつは口煩い事この上ない。


「テメェは六代目のお気に入りなんだろう。 なのに、 しっかり周り守っとく事もできねぇのか? もうここで、 何人の幹部が死んだと思って..」
「それは私じゃなく、 アンタらが弱いせいでしょう。 それに六代目の何だとか今は、 はっきり言わなくても関係ない。 ふざけんなよ、 クソ野郎」
「なっ、」


鋭く睨みつけてやれば、そいつは一瞬で黙った。
お気に入り。ああ、面倒だから否定はしない。その通りだ。しかし、守る守らないは自分の意志、そこを私のせいにするのはお門違いというものだ。ただ、幹部の奴らがお粗末だっただけ、私は関係ない。
ハッ、とバカにしたように嘲笑うと、成司は口煩かった幹部の脇を通り抜ける。
幹部の奴は、唖然の表情をしたのち、こちを睨みつけた。

「こっちも、 アンタの小言を聞いてるほど暇じゃないんだよ」

しかし、成司はそんな幹部の表情も気にする事なく、むしろそんな捨て台詞を吐きながら、階段をゆっくりと上がっていった。



反抗期子供
(あんまり、飼育も楽じゃない)



「あんの糞ガキ..!!」
「こんなんが幹部だなんて、 世も末.. いや、 裏も末だな」




実は、私自体が名前を忘れているという(え
あの真島に口押さえられてモガモガした人です。でもまあ、特に名前書かなくても支障はないから大丈夫ですよね^p^←

というか、あの人通常語だったっけ?あれ?
てーか、まさかのお小言くんしか居ないじゃんかよ\(^o^)/ウワァ

(2012/8/6 再編集)



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