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 憂鬱気分/真
!ほんのり女装注意!




「小さいし、女に見えなくないよなあ?」

全てはこの一言からはじまった。


「大吾さん、この馬鹿止めて下さい」
「む、無理だと思う」
「大吾さん、せめて挑戦してから言って下さい。つーか、何がなんでも止めやがってください」
「......ま、真島さん成司が嫌がってま
「肌も白いし、なんかか細いしなあ。きっとこれならいけるわ!大吾かて、そう思うやろ?」
「はい、思います」
「おいこらまて六代目」

ゾンビが建物内に侵入してきた事をしり、囮として「カップル」を使っておびき寄せるとしよう。という事になったのだが、囮役になりそうな彼彼女に話しかけても、皆がみな「誰がそんな危険な事」と口を揃えて断固拒否。
困った状況になったと、大吾さんがうねりをあげた時、頭上にピカリと光る電球を浮かべる真島さんがいた。
狂ったのはきっと、それからだ。


「よう似合っとるで、成司。そこいらに居る女より可愛いくらいや!」
「いや、可愛いとか嬉しくありませんから」

なぜ、こうなった。
スカート、フリルに、歩きにくいヒールの靴..もう一度言おう。なぜ、こうなった。
女装姿の成司は、真島の目の前でただただ立ち尽くしていた。
何が悲しくて、もうすぐ三十路な男がスカートやヒールを身につけなければならないのか。

「真島さん、出てくる気配が全くないんですが。こんな格好、意味あるとは思えないんですが」
「意味はあるて。ゾンビが出てこんのは、きっとお前が女になりきっとらんからや」
「絶対違うと思う」
「違わんて!ほれ、もっとこう 胸押し付けるとかして迫ってこんかい!」

なんて身勝手な。

「やらな来るもんも来ないて!」
「......これでいいですか」
「なんや、出来るんやないか」
「......」

さあ、と両手を広げながら手招きをする真島さん。
一瞬、本気で殺意を覚えたが、実際やらなければこの状況、女装という悪夢が終わる事はないだろう。
「はあ」と一つ息を吐いてから、仕方ないと決心つけ、成司は生気のないような目で真島さんへと抱き着いた。屈辱にもほどがある。

「お、ほれみい!さっそくかかりよったで!」
「ありえない..」

目の前に現れた一人のゾンビ。本当に来るとは、と成司は唖然と歎きの声を上げた。ありえない、絶対偶然だ。
成司の驚き具合とは裏腹に、敵は簡単に倒れた。

「よっしゃ、次いくでえ!」
「あと二回もこんな事するんですか」
「当たり前やないか!可愛い成司が拝めるんやから、ワシはむしろもっとあってもええけどのお」
「丁重にお断りします」
「そら、残念」

冗談なのか本気なのか。
ヘラヘラと笑う真島さんに、呆れて殺意すらも消える。
それよりも、早く終わらせたいと思うばかりだ。

「早く、次の敵に出て来て欲しい」
「せやな まあ、ワシはもうちょいこのシチュエーションを満喫していたいけど」
「.........」
「よし、今度はワシに怖がってしがみついてくる芝居をしよか!」

先程同様、両手を広げて待機する行動を取った真島さんに、言われた通りに成司は抱き着く、わけもなく「マジマサンコワーイ」等と発言しながら、むしろ膝蹴りをかました。
それはしっかりと彼の顔面へと直撃し、後に壮大に声をあげて、後ろに倒れる事となる。ある種のじゃれ合い状態だ。

「なにすんねん!」
「スカートのせいで、こけたんです」
「完璧にワシ目掛けてたよなあ!?」
「そんなに怒ると、後ろのゾンビに噛まれちゃいますよ」

仕返しとばかりにニヤけて彼の後ろを顎で示す。
振り向いた真島さんは、大袈裟に驚いて成司に抱き着いた。まさかの逆展開である。
敵はその後、成司に投げ飛ばされた真島の下敷きとなって消滅した。

「次で最後やな 腰痛いわあ」
「そうですね 自業自得ですよ」
「せやけど、出てこんなあ」
「そうですね」
「しゃーない、ここはもうアレしかないな。よし、キスするで!」
「いやです」
「そこはイエスいうとこやろ!?」
「私にお約束はありえませんので」
「ストーリー進まないやん!」
「知りません」
「しゃーない、もうこりゃ無理矢理やるしか
「それは犯罪です」
「..ゾンビをおびき出すためなんやで?堅気が死んでまうよりはマシやろ?な?」
「それなら、もうあそこにゾンビいますから大丈夫です」
「なんて、空気の読めへんゾンビや!」

私にとっては、有り難いゾンビだ。
空気を壊されたせいなのか、瞬殺だった。いや、元々空気なんてものすら出来上がっていなかった気もするが。

「なんか、えらく疲れたわ」
「いや、それは私のセリフなんですが」
「せやかて、成司が全く相手にしてくれへんのやもん!顔は可愛いのに性格が悪魔なんやで!」
「こんな事に付き合っただけマシだと思って下さい」
「まあ、そうかもしれへんなあ。じゃあ、ポジティブに考えて 成司、記念に写真とらせてくれへ
「ああそうだ 真島さん、こんな格好してたとか、他に言い触らさないで下さいね もし出来ないとか言うんなら、アンタごと見た記憶を全て消しますから」
「...成司の顔が、めちゃくちゃ怖いんやけど」

殺伐としたセリフを言う彼の顔は、まさに悪魔だった。




終わり方が中途半端なうえに、真島が可哀相に..

大吾の憂鬱にびっくりしてたらいつのまにか出来てた産物です。公式マジどうしt
それより、大吾がヘタレになってしまったんだけども。主人公君の親なのにヘコヘコしてるとかね(おま
真島の口調とかもなんか色々崩壊しちゃってるし、なんかもうすみませ...ていうか、女装の意味はいずこ^p^(

(8/6 内容編集)




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