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 背中合わせ




「真島さん.. 一人でおいしいとこ、 持っていく気で?」
「なんや、 今頃気づいたんか?」


バリケードをなんとか作り終えて、成司は大吾さんと共に、一人で戦っていた彼のもとへと近づいた。
大吾さんが真島さんへと襲いかかっていたゾンビを撃ち落とし、笑いながら話しかければ、真島さんは一つ息を吐いてから、ニヤリと笑みを浮かべる。
余裕そうな顔をしてはいるが、いつもみたいなふざけた表情はしていない。流石の真島さんでもこの量を独りで相手にするには分が悪かったようだ。
しかしそこは狂犬真島。どんなに苦戦していようと決して弱音ははかない。


「随分と、 ピンチだったみたいですね」
「うっさいわ、 ボケ」


ゾンビを蹴散らしつつ、皮肉をこめてそう言えば、真島さんからは強がった声が返ってきた。その返答に、成司はフッと軽く笑いを飛ばす。
ゾンビのものかはたまた彼自身のものかは分からないが、血まみれな姿は実に滑稽だ。


「まあ、 とりあえず無事... で良かったです」
「おう? 当たり前やろ、 ワシを誰だと思ってんねん」
「ええ、 流石真島さんだ.. 店の方はもう大丈夫です、 離脱しましょう」
「そやな、 六代目を死なす訳にはいかへん」
「それはごもっともです」


ショットガンと蹴りで吹っ飛ぶゾンビ達を尻目に、大吾さんと真島さんは背中合わせに立つ。
成司は、一人仲間の銃に当たらないように上手く立ち回りながら、近くに落ちていた武器になりそうなモノを拾い、ゾンビ達を殴り倒した。
しかし、撃てども蹴れどもされども、ゾンビの数は一向に減る気配はない。二人はまだ大丈夫のようだが、接近的戦い方しか出来ない私にとっては酷く辛くなってきていた。
きりがない、もたない。そんな事を思い出した時
、突然奥のマンホールの方から此方に眩しく光が照らされ、光のもとを見てみれば、そこには「こっちに来い」と手招きをしているホームレスらしき人物の人影があった。


「真島さん..」
「アレ、 どうします」


真島さんと大吾さんも、その人物に気づき、三人は一瞬だけ顔を見合わせた。
行くしかない、この状況でノーはないだろう。
目でコンタクトをとろうと二人の方へと顔を向けると、目があった。どうやら、皆やはり意見は同じようだ。

三人は周りのゾンビ達が近くに来ていない事を確認すると、大吾さんが頷いた事を合図に、マンホールの方へと一斉に走り出した。
しかし、
それは途中で阻まれる事となる。

「これは..骨が折れそうな敵ですね」
「ええやないか、 丁度食い足りんかったところや」
「俺も、 そう思っていたところですよ」


目の前に、突然ゾンビではない地を張る巨大な何モノかの姿が浮かび上がって来た。
三人は警戒しながら、一歩二歩と後ずさる。
するとそのモノは、三人の目の前から一瞬で姿を消した。いや、実質には見えなくなったという方が正しい。
どういう仕組みになっているのかはしらないが、どうやらこいつは相当な厄介な敵らしい。
いわゆるインビジブルという能力が使える変異体のようだ。これは一筋縄ではいきそうにない。
その能力を見た真島さんと大吾さんの二人は、楽しそうにフッ、と笑みを浮かばせた。
成司だけは「やれやれ」と疲れたきった表情をする。この人たちは、危機という言葉を知らないのだろうか。


「二人は楽しそうで良いですね」
「もちろんや、 こないに面白い事そうそうあらへん! ほんなら、 六代目、 それに成司! 残りの雑魚は任せたで!」
「分かってますよ。 本当、 面倒ばかり押し付けてくれますね」
「真島さん、 またいいとこ取りだ! たまには俺たちにも見せ場を下さいよ」


巨大な敵、アラハバキの雄叫びに続いて、真島さんは「任せた」と大きな声でこちらに叫んだ。
叫び声と共に、大吾さんは即座に後ろへと振り返り、背後にいたゾンビをショットガンで吹き飛ばす。続いて、成司も同じように後ろに居たゾンビ共を蹴り飛ばした。





後ろ
(信頼ゆえに、任せ合う)



「楽しめる時に楽しんどかなや!」
「成司、 背中は預けるからな」
「はいはい、 せいぜい楽しんで下さい。 六代目、 私のほうもしっかりお願いしますよ(まあ、 楽しいってことに否定はしませんけど)」




特に、夢である意味がなくなって来ている気がしま..真島との絡み難しいです(
というか、主人公と大吾の口調の区別がなくってて、わけ分かんなくなってますね(´・ω・)オオゥ

次でちょっとは進展するかもしれない。

(2012/3/5 編集)



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