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 真っ赤



血の色に染まってしまっている自分のスーツを見て、成司は自身へと呆れた態度をとった。

ゾンビの群れから逃げてきたのは良いものの、あのビルから一歩外に出たところで状況は一切変わったりはしない。同じく、外もゾンビ達でうめつくされている。ここには、もう逃げ場なんてどこにもありはしない。どこもかしくもゾンビで貸し切り状態なのだ。
あれから、無傷でここまでこれたわけもなく、怪我だって一応しているし、体力だってあまり残っているわけじゃない。
今の状況は、相変わらず以上に分が悪いものとなっていた。それはもう、生き残れるかも危ういくらい。

「はあ」と息を吐き、血まみれなスーツをたくし上げて腕を確認してみれば、そこにはくっきりと歯形が残っている。傷の周りが青々しくなっているのが実に不気味で、普通の傷ではないという事が良く分かる。これはもう、完全に感染してしまっているだろう。
血の止まりが遅いのも、普通ではないからなのか。このまま止まらないなんて事があったら、いい加減貧血で倒れてしまいそうだ。
ぽたぽたと、滴る血の赤を見て「馬鹿な行動だった」と、成司は今になって後悔の意を表した。



路地裏にあった壊れたビルの中、
先程から、ずっとそこに隠れて休息をとっている。どのくらいの時間が経ったかはわからない。休憩と証して入ったはずだが、結構な時間が経っているような気はする。
いつまでも、やりすごせるものだとは思っていない。いい加減、他へ移らないと良くないだろうか。とは言え、違う隠れ場所が見つからず、途中で死んでしまうなんて事になってはなんの意味もないのだが。

成司は、また一つため息をつく。
どちらにせよ、ここに留まっていても何も変わらない。動かずに死ぬくらいなら、行動して何かを得た方がマシだ。
頭の中で、そう考え、成司は「仕方がない」と小さく呟く。そして、扉へとはっていたバリケードを通れる程度に崩すと、思い切って外へと飛び出していった。





隠す
(奴らの血で、傷痕を)



「あいつらの仲間入りってのは.. 流石に笑えないな(もし、 そうなったら..)」



主人公が噛まれたって事を重点的に書きたかったのに..何かズレた気がします←

予定通り龍司で書こうと思ってはいたんですが、長濱は?って後々思い出したため、次は長濱と会話させます。

主人公だけな語りすみませ(ry




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