こいつはああ見えてこういうやつです
体育館にて栄坂と赤司。そして俺、青峰大輝。昇降口で村中に捕まった俺達はマットを片付けろという使命を受けてしまった。そこへ紫原がやってきた。(忘れ物か?)
「あ、まなちんだー!お菓子ちょうだーい」
「うおっ」
紫原が走って栄坂に抱きついた。紫原は抱きつくつもりはなかったのだろう。俺らとじゃれあうように、栄坂に軽くタックルしただけだったのだろう。だけどあの巨体だから、栄坂は軽く吹き飛びそうになって、驚いた紫原はそれを助けようと抱きついてしまった、と。
「まな!」
赤司が叫んだ。
「ぬおおお!」
ぐぎぐぎぐぎ
マトリックス主演俳優も顔負けだ。栄坂の身体は、紫原の体重を受け止められなかった。骨を鳴らし、女らしからぬ声をあげながら、ぼふん!と紫原とともに背中からマットに倒れ込んだ。スカートが翻る。ぱんつ見えた。
「…白」
「死ね」
(うぐっ!)
赤司は俺を躊躇いもなく蹴ったあと、栄坂救出に向かう。(今のは不可抗力だろ?!)
「ごめーん、まさか吹っ飛ぶとは思わないからさー」
紫原の抜けたような声を聞きながら俺は股間を押さえていた(赤司許さねえ)