まずはここ、山風荘と鳴釜市についての説明をさせていただきます。…最近は妙な噂も流布しているようなので、それについても、いくらか。



 山風荘について
山風荘というのはいわゆる山荘と言うんですか、大正時代頃に嵐山一族によって立てられた別荘を改装して作られた全三館の総称ですね。維持費確保の目的もあって今は一室ずつ貸し出されています。一応私がここの管理人ではありますが屋敷の持ち主は別です。一応。

屋敷はコの字形になっていて、それぞれの棟(中央北棟、東棟、西棟)は渡り廊下で繋がっています。部屋は九畳1K、バス、トイレ付き。館内は土足、部屋にはいるときには靴をはきかえていただく形式です。内装は入居者の希望にできるだけ添えるように、入居前に手が加えられています。…空き部屋がどうなっているのかって?そりゃあ、埃だらけのただの空き部屋ですよ。元客間なら少しは家具も残っていますがね。

館内は出来るだけ昔の姿を残すようにという主人の言いつけで、赤い絨毯がしかれていたりとなかなか豪華です。絵画の類いは勝手に動く、…失礼、勝手に動かされると面倒なのでほとんど撤去してありますが入ってすぐのホールには一応大きな初代当主の厳めしい肖像画もあります。

 鳴釜市について
まあ…都会とは言いがたいですね。半分田舎、半分はそれなりに発展した町というところでしょう。北は田んぼに古民家、せいぜい駄菓子屋やコンビニがあるくらいです。野生の動物も出ます。
南に行けば一応モールなどもありますが、どうせ服などを買いに行くならば隣の浦市へ行くことをおすすめします。あっちはよく発展していますから。

 噂について
鳴釜市は出る、なんて噂がごく一部では流れているそうですが当然事実無根です。出るのは獣くらい、時おり見かけるのは小豆を抱えた老人や足腰の不自由な老婆、あどけない小学生程度です。皆善人です、勿論私もふくめて、ね。


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