「あー!やっとHR終わったなぁ!」
「ははっ、せやねー」
「係り決めたりすんのって退屈やんなぁ…」
そんな眞柚の愚痴を聞きながら鞄から弁当袋を取り出した。眞柚は売店でパンを買うといっていたので、財布を持って私の机に来ていた。…相当お腹がすいていたようだ。
「ご飯どこで食べようか?」
立ち上がりながら眞柚に聞くと、
「屋上で食べへんかぁ?」
と、背後から声が聞こえた。周りがざわつきはじめる。
(誰…?)
振り替えるとそこにはあの二人がいた。
「お昼、一緒してええか?」
「おん。ええで、な?」
白石くんの言葉にさらっと了承する眞柚へ「おん…」としか返事を返すことができなかった。
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「それじゃ、行ってくるわ!」
「二人とも先に食べといてええからな!」
「おん。いってらっしゃい」
軽く手を振ると謙也と眞柚の二人も手をふり屋上から売店に向かっていった。取り残された二人は、まず場所探しをした。校舎自体大きいので、場所には困らない。と、いうか人が予想以上に少なかった。
「人、あんまおらんくて助かったなぁ」
「せ、せやな」
「食べるのここら辺でええかな?」
「あ…ええと思うよ」
白石くんが座った位置から少し離れたところに弁当袋を置いて座る。
「…自分、俺のこと嫌っとるか?」
「そ、そんなわけないやろ?」
「避けとるやろ?」
「なんでそう思うん?」
「朝はじめて話したときと反応が違う。それに今も…離れて座りすぎや」
「う、」
行動に示すつもりも示してしまったつもりも無かったから自分でも驚いた。
「…なんか俺、自分の気にさわるようなことしたか?」
「ちゃうねん…なんか朝のことで、白石くんに嫌われてもうたんか思て…」
「は!?…俺、あんなんで嫌いになったりするような奴ちゃうで?」
「じゃあ、怒っとらんの!?」
「当たり前や!…ちゅーことは、別に俺のこと嫌いになった訳やないんやな?」
「お、おん。」
「ならこっち来てくれるか?」
彼は私のお弁当袋を持ち上げ、自分の斜め横に置いた。
「ほら、はよう」
「え、と…隣ってこと?」
「いやか?」
と、また悲しそうな顔をするので拒否することもできず。
「いや、全然ええよ!」
と、隣にちょこんと座った。
その風景を見ていた白石が「ほんまかわええなぁ」と呟いた。
「ん?なにが?」きょろきょろ当たりを見回す梓捺に苦笑しつつ、なんでもないわ!と白石はいった。
誤解
(かわいいって…お弁当袋のことかな?こういうの好きだなんて以外だなぁ)
(あかん…無意識やったわ…天然で助かった)
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おんなじ人に何回か「かわいい」って言われて
幾度となくスルーした思い出があります(笑)
やっぱ好きな人に言われたいよね!
蔵とか蔵りんとか蔵ノ介とか白石とか!
エクスタシーでもいいけど(笑)
遊詩
完