「梓捺ーっ!同じクラスやでーっ!」
「ほんまか!?これからもよろしゅうな!」
高校にあがって、一番の親友と同じクラスになれた。それだけでこの先の高校生活が明るくなった気がした。
(今まではただただ毎日を過ごすだけやったけど、高校は部活でもやってみようかな!もしかしたら彼氏とかできるんかなぁ!)
そんな前向きな状態で新学期を迎えた。
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「ほな、出席番号の若い順から自己紹介しぃや!」
ちらほら同じ中学の人はいたが、ほとんどが知らない人ばかりですごく新鮮だった。
(この中からまた新しい友達できるんやろなぁ!!)
わくわくしながらクラスのメンバーの自己紹介を聞いていた。
「えー、白石蔵ノ介です。」
きゃーきゃーと黄色い声が飛んでいた。
(かっこえぇけど、えらい優男やなぁ…外見が。)
「好きなものは毒草や。」
(えぇーっ!?!?)
それ言うか?普通…
『あっはっはっはっ!!!』
「おもろいなぁ!白石ぃー」
(ちょ、先生までっ!皆ノリ良すぎちゃう!?)
親友のほうをみたら、やっぱり大爆笑していた。
私がおかしいんやろか?
少しみんなのこのテンションについていけるか不安になった。
+-+-+-+-+-+-+-+-+
自己紹介も終わり、休み時間になった。
周りの子とも大概は話せるようになってきて、安心した。
(ちょっと不安やったけど、みんないい人ばっかりやわぁー!)
「梓捺!」
「眞柚?どないしたん?」
「白石くんが呼んでんで?」
「しらいしくん?…あぁ、毒草の人か!」
ちょっと行ってくるな、と親友と新しい友達に言うと「なんや梓捺、脈ありちゃうんか?」「さすがやなぁ!梓捺見たとき、ほんまかわええと思ったからな!」「そら、狙いたなるでぇー」と言いたいほうだい言われ「ちょぉ、やめぇてー」と、言いながら白石くんのとこに向かった。
(私、かわいいとか、言われたことないわー。女の子としてこれは問題なんかなぁ)
この14年間が寂しいものだったなぁと思いながら白石くんの姿を探す。
「あぁ、如月さんここや!」
自分のいるところとは反対側の、教室の前方に彼はいた。そして、彼のとなりには友達らしき人がいた。
「えと、白石くんと…忍足くん…やんなぁ?」
「おん。」
「もう名前覚えてくれてたんや!」
「白石くんは毒草でインパクト強くてな、忍足くんは、苗字珍しいなぁ思てん。それに二人とも髪の色が浮いとるからなぁ」
なるほどなぁ、と二人はいう。
(仲エエんやなぁ…)
「あ、せや。私になんか用なん?」
「いや、さっきの俺の自己紹介のとき、自分だけ笑うてくれへんかったから…おもろなかったか?」
と、悲しそうな顔をする白石くん。
「あーちゃうんや。私がみんなとずれとるから…」
「せやなぁ…」
ぼそりと忍足くん。
「白石みて、きゃーきゃー言うてなかったのも自分だけやったしな?」
「あ…そうなんや(私だけやったんか)」
なんか悪い気がして気まずくなったところに先生が入ってきた。
「おーい、席つけ!ホームルームの続きするでー」
「ほな、私席つくね?」
「おん。これからよろしゅうな?」
「よろしゅうなー」
にこりと笑って「こちらこそ、よろしゅう!」といって梓捺は席に帰っていった。
蔵ノ介は席に帰っていく彼女を目でおっていた。
「白石?」
「謙也…俺、あの子のこと気になってきたかもしれへん」
「!…珍しいなぁ、お前が女の子に興味持つやなんて」
「せやな…」
初対面
(俺と喋って緊張せぇへん女の子がおってくれたなんて…)
(ヤバい…目ぇ付けられたんかな…見られとる)
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白石的にはいつも周りの女子は騒いでるのに、まともにヒロインと話せたことにびっくりして、
他の女子とは違うなとおもってます。
ヒロイン的には折角話しかけてもらったのに、なんか悪いことしたのかなと、少しびびってます。
遊詩
完