※ヒロインの口調が悪すぎるので注意してください。

「ふらーん」
「………」
 
前言撤回、殺してやる!
 
「無視すんなクソ蛙が。」
回し蹴りをヤツの背中にかます。
「ゲロッ…なにするんですかー」
「『なにするんですかー』じゃねぇよ。テメェーは先輩の言葉にすぐ返事しろ。」
「梓捺先輩は女らしくしてください。」
 
余計なお世話だ。
 
「さー、今からフランで遊ぼうか。」
「ミーをどうする気ですか。」
「いいからソファーに座れ。」
「嫌ですー」
近くにあった鋏を掴みフランに突き付ける。
「フランくーん?」
「無理矢理じゃないですかー…」
「わりぃかよ。」
無理矢理とはいえフランはおとなしくソファーに座る。
「さぁて。あのね、フランって謎だらけじゃない。」
「謎?」
「そう。蛙帽のなかとか。私が任務から帰ってきたら既にアンタここにいて蛙帽かぶってたしさ。」
「そんなのどーでもいーじゃないですかー」
「いや、よくない。気になる。」
梓捺はそっと後ろからフランの帽子を掴んだ……はずだったのだが。
 
スカッ、
 
「は?」
両手は空を斬った。フランの姿が消えていく。
(しまった!)と、思ったときにはもう遅く、後ろから羽交い締めにされた。
「っんの野郎!離せってんだ!」
「嫌ですー」
じたばた暴れるがなかなか離してくれない。くそ。
「今までのが幻覚で、私の後ろにいるのが本物かっ!」
「違いますー。」
「えっ!?」
背後からフランがきた。…ただし羽交い締めされた状態。
「ミーが本物ですよ?」
ひらひらと両手をふっておどけてみせる。
「くそ!私を殺す気か!」
まぁ、ヴァリアーで殺しあいなんてよくあることだ。(みんな丈夫で死なないだけで。)
でも、続けたフランの言葉は意外なものだった。
「まさか、梓捺先輩を殺すわけないじゃないですかー」
「じゃあなんでこんなことしてんだよ…!」
「それはー、梓捺先輩がミーに対して疑問があるのと同じようにミーにも梓捺先輩に対して疑問があるんですー」
ゆっくりよってくるフラン。
「しるか、離せ!」
「質問に答えてくれたら離しますー」
「あぁ〜わかったからさっさとしろ!」
束縛されているほうが嫌だ。クソ蛙め…あとで半殺しにしてやる。
 
フランは梓捺の両肩をつかみゆっくりと口を開いた。