※イナズマジャパン全員
同じ中学という設定
「えー、前に話した通り
今日席替えをする」
クラスの各地で
やったー!と歓喜の声や
えー!と反対の色を示す声が
ちらほらと聞こえる。
僕、立向居勇気は
どちらかというと後者だ。
だって近くに壁山くんと
木暮くんが居て楽しいし。
あ、木暮くんはたまに意地悪してくるけど
退屈な授業も楽しく感じていた。
離れたら嫌だなー…。
「順番にくじを引け」
そう言って久遠先生は
箱を取り出した。
なんかミスマッチな姿だ。
右から順番に席を立って
順番にくじを引いていった。
僕の番が来たので
席を立ち、くじを一枚
考えて考えてひいた。
「………20だ」
自分の背番号だ。
座席と照らし合わせると
なんと一番後ろだ。
移動させ、席に着き、
ひとまず落ち着く。
(そういえば隣の子誰だろ…)
まだ隣の女子は現れない。
すると、壁山くんが前に机を置いた。
「お、立向居くん近いっすね」
「本当だ。また宜しく!」
「僕もいるよー」
「木暮くん!」
木暮くんは壁山くんよりも前に
机を置いた。
また近くなれたことに
嬉しさを感じる中(前が壁山くんじゃ黒板見えない…)
一抹の不安を感じていた。
ガタンッ
隣に机が置かれる音がした。
(誰かな?)
期待を込めながら
音がした方へ振り向いた。
「ブハッッ!!!!」
「よお!立向居!」
普段なら、普通なら
絶対居るはずのない男がそこに居た。
「つ、つつつつつつつつ綱海さっさ、さ」
「落ち着けよ」
呂律の回らない僕の頭を
ポンポン、と優しく叩く。
あ、気持ちいい…じゃなくて!
「何でここにいるんですか!?
HRはどうしたんですか!?」
「何のことかな」
ぴゅ〜と口笛を吹いている。
「それに綱海さん、
3年生ですよね!?」
「立向居、」
綱海さんはニヤリと不敵に笑った。
なんだその笑みは。
「学年なんてちっぽけな波さ!
俺に乗れねえ波はねえ!」
「…………………いやいやいや」
なんか名言だと思ったら
ただの馬鹿じゃないですか…。
思わず頭を抱えた。
「綱海」
「あっよお!久遠先生!」
いつの間にか目の前に立っていた。
「帰れ」
綱海さんはシャツの襟を掴まれ
ずるずると引きずられていった。
「た〜ち〜む〜か〜い〜」
「…………はあ」
しょうがない、
後でクラスに行ってあげよう。
そう、思った。