※グレンとバーンとガゼルは同居してて
 何だかんだいって仲が良いという設定



「バーン、ガゼルー
今日は焼き肉だよー」

するとソファーで
ゴロゴロしていたバーンと
その傍でテレビを見ていたガゼルが
がばっと一斉に振り返った。

「焼き肉!?いよっしゃあー!!」

バーンはガッツポーズをした。
対してガゼルは頬を少し緩めただけだ。

「ガゼル、嬉しい?」
「………そっそんなことない!
熱いのは嫌いだ」

そう言うとぷいっとそっぽを向いた。

(喜んでる喜んでる)

自然と頬が緩んだ。

「本当はうれしーくせに」

バーンはニヤニヤしながら言った。

「黙れバーン」






ジュー

聞くだけでよだれが出てきそうな
音が聞こえてくる。

用意したカルビから順々に
焼いていく。

最初に投下したカルビが
良い具合に焼けてきた。

そのカルビは、二組の箸によって
同時に掴まれた。

「………………!」
「………………!」

(あーまたか…)

俺は肩をすくめた。

「…………離せガゼル」
「…………バーンこそ」

にらめっこが始まった。

「このカルビは食べ頃なんだ。
邪魔するな」
「あ?しらねーよンなもん。
それよりお前熱いの嫌いじゃないっけ?」
「うるさい黙れ。食べ物は別だ。
それよりキミ最近太ったんじゃないか?
控えた方がいいと思うぞ」
「別に俺太ってもいいぜ」
「ハッ。相撲でもする気なのか?
お似合いだな」
「んだと!?」

氷と炎がぶつかり合う。
気にせず肉を投下し続けた。

(まあどうせすぐに終わるだろう)

毎回起こるこの戦争は
じゃんけんで終わる。
そして必ずガゼルが勝つ。

きっと今回もそうだろう、と
見守っていたが、今回は少し違った。

「くっそー!無理矢理引きちぎってやる!」
「や、やめろ!ぐぬぬぬぬぬぬ」
「うおおおおお!」

ちぎれそうでちぎれない肉は
箸に挟まれたままだ。

「おいおい、やめなよ…」

見兼ねた俺は二人に話し掛けた。

「話し掛けんなグラン…」
「そうだぞ…」

こういう時だけ意見が合うんだから、と呆れた。



(この肉硬いなあ…)

未だにちぎれない肉を見て
そう思った。

二人の顔にも疲れが見えている。

「そろそろ離せよガゼル…」
「それは私のセリフだバーン…」

睨み合いが続く。

すると、バーンが箸を滑らした。

バーンがしまった!とした顔をし
ガゼルの口元が歪む。

するとなんとガゼルの箸も
ズルッと滑った。

今まで入れていた力の反動なのか
肉は少し空中に投げ出されると
綺麗な曲線を描き、落下した。



カーペットの上に。



「あ」
「あ」

既に美味しそうだったカルビの面影はない。

もう食べられなさそうだ。

「チッ…お前のせいだ」
「何を言ってるんだ、キミのせいだろ」

未だににらめっこをしている。



「バーン…ガゼル…」
「…………!グ、グラン…」
「カーペットに零すなんて…
これ中々落ちないんだよね…」
「す、すまんグラン…」
「…後で洗っといてね」
「「は、はい…………」」

二人は正座をし、
ぶるぶると震えた。

(反省してるみたいだし、
まあいっか)

「さあ、食べよう食べよう!」
「お、おう……」
「あ、ああ……」











「このタン塩は俺のものだ!」
「いや私のだ、離せ」
「いい加減にしろお前ら」


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