近所に年下の幼なじみが居る。
幼なじみはイコール友達でもあるが
そいつはどちらかというと弟だ。
元気でやんちゃで可愛くて
世話の焼ける弟分だ。

そいつが生まれた時からずっと傍に居て
赤ちゃん時代から知ってるから背がぐんぐん伸びていくのを見ると
自分のように嬉しく思え、同時に月日が過ぎるのは早いなあ、と思う。

しかし、本当に月日が過ぎるのは早い。
3才年下のそいつがこの小学校に入学してからはもっと早く感じた。
不思議だ、この如何にも卒業って感じの曲を聞くと、今までのことを走馬灯のように思い出せる。

「(今までの思い出は、あいつのことでいっぱいだな…)」



今日その可愛い幼なじみ、円堂守を残して
俺は小学生を卒業する。



卒業授与も終わり、退場して卒業式は無事終了。
先生の感動的な話に涙を零すクラスメイトを見つめながら最後のHRも終わり、
玄関先の花道を通ったらもう終わりだ。

「風丸!校門まで一緒に行こう!」
「おう、いいぜ」

1年生からずっと仲の良い友人が話しかけてきた。

「…緑川、何泣いてんだよ…」
「な、泣いてない」

涙目になってるし。
緑川は誤魔化すように話題を切り替えた。

「そ、そうだ。今日俺ヒロト達と帰るよ」
「そうか。って俺も守と帰るけどな」

「あー、あのやんちゃ坊主か」と苦笑いしながら緑川は言った。まあその通りだけど。

そんなことを話している内に校門に着いた。

「じゃあ中学でもよろしくな。
ばいばい!」
「じゃあな、よろしく」

俺は色とりどりの髪の色をした奴らと帰る緑川の背中に手を振った。

すると、後ろに違和感を感じた。
後ろを振り向くと、オレンジ色が見えた。
背伸びして着た学ランが小さな手に掴まれていた。

「…守?」

俯いて見えない顔に話しかけた。が、返事が無い。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -