今日は久々に部活が無い日。俺は今円堂家にお邪魔させて貰っている。たまにはサッカーをしない日も良いじゃないか。そう思って俺はDVD鑑賞することを勧めた。
そして、先程レンタルして来たDVDを今観ている。円堂のことだからサッカー関連のDVDをレンタルするかと思ったが、予想とは全く外れ、
『目を覚まして…!ねえ…!』
悲恋の映画だった。
一応恋人同士だからムードでも考えたのかはわからないが少なくとも恋人同士で見る作品ではないと思う。内容は要約すると、長年付き合っていた恋人が病気で死んでしまう、というものだ。
もし、今隣に居る円堂が病気で死んでしまったら。そう考えただけで目頭がじいん、と熱くなった。
「風丸、泣いてんの?」
「泣いてない」
俺は聞こえないように鼻水をすすると、円堂も同じように鼻水をすすった。
「円堂も泣いてるじゃん」
「…か、風邪気味なだけだし」
「さっきまでピンピンだったじゃん」
俺は円堂の顔を覗き込むと、目尻に涙を浮かべていた。俺はくすり、と笑い「泣き虫」と言った。
「風丸こそ!」「俺は涙腺が弱いだけだ」
「るいせん?」
「あー…まあいいや」
俺はソファーに身体を預けた。横から円堂の手がにゅっと出てきて、俺の涙を拭き取った。
「泣き虫は、お互い様だな」
にかっと笑った円堂にたまらなく愛しさを感じ、思わず頬を緩めた。
「…そうだな」
円堂は更に口角を上げた後、「次のDVD見ようぜ!」と仕切り直した。
「あ、まだDVDあったんだっけ?」
「おう。ほら!じゃーん!」
「…ん?あれ、それホラー映画…」
円堂は意外とホラーは平気でむしろ好きな方。俺は苦手な方。
円堂はニヤリと小悪魔な笑顔を見せた。
(…はめられた!)
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相互記念小説でした。
村木さまのみお持ち帰り可!