「うあー1日目終わったー!」

身体を捻ると
ボキボキッとなった。
うん、気持ちの良い音だ。

帰り支度を始めると
教室のドアがガラガラと開き
風丸が髪を揺らして顔を現した。

「円堂!お待たせ!」
「いや、早かったな!」

鞄を持って風丸の元へ駆け寄った。
一緒に帰ることも約束もしないくらい当たり前になった。
そのことに少し優越感を感じ
思わず頬が緩んだ。

「何にやにやしてんだ?」
「べっつにー」

怪訝な目で見られたけど気にしない。

「そういやテストどうだった?」
「手応えあり!風丸が上手く教えてくれたからだよ」

さんきゅーな、と笑うと
風丸は「そっか」とぶっきらぼうに言いながら目線を逸らした。
耳が真っ赤、照れているのだろう。
ああ、可愛い。

「よし、じゃあサッカーするか!」
「何故そうなる。勉強しろ!」

少し甘酸っぱいムードを
消し去ろうとしたのに、
あっさり却下されてしまった。

「けち。サッカーしてえー!」
「俺もさ。だが我慢も大事だ」
「ううううー」

俺はうなり声を上げた。
そんな俺を見て風丸は苦笑いした後
何かを閃いたようににこりと笑った。

「あっじゃあ今日サッカーせずに
勉強に専念出来たらご褒美やるよ」
「まじで!?」
「まじまじ。あげられるものならな」

さすがに高いスパイクとかやめてくれよ
と言ってまた苦笑いした。

「んーじゃあじゃあ…
風丸からキスしてほしいなー」
「……………はっ!?」
「それがご褒美な」
「え、いや、む、無理無理無理」
「あげられるものならって言ったじゃん」

俺は風丸に詰め寄ると
顔をりんご色に染めて目を逸らした。

「わ、わかったよ…」
「いやったー!頑張るぞー!」
「…………ったく」

(だってお前とのキスは)

(元気になる薬なんだよ!)

その日、結局専念出来ず
ご褒美はお預けになってしまった。





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テストってお題に悩みに悩んだ結果
なんかあまり関係無い内容に…
申し訳ないです。


bkm

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