ピンポーン
待ち遠しいチャイムの音がなった。
そわそわと歩き回っていた足を
玄関に向かわせた。
バンッと勢いよく扉を開けた。
「うわっ」
扉を開けると
家の電灯に照らされ
目を見開いた風丸が立っていた。
「いらっしゃい!!」
「お邪魔します」
そんな訳で、今日風丸は
俺の家に泊まる。
…何故か?
それは、明日がテストだからだ。
毎回テストの度、
風丸は泊まっていって
勉強を教えてくれる。
感謝きわまりない有り難きことだ。
先にリビングで食事を済まし、
部屋にまた戻った。
「さて、やるぞ」
「うえーい……………」
有り難いことだとわかっていても
やはりやる気は起きない。
「あー、あー、やりたくねえー」
「お前なあ…
ほら、しゃんとする」
風丸は俺の折れ曲がっていた背中を
強く叩いた。
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