「円堂、ここ違う」
「えー?」
「もう一回考え直し」

へーい、と気の抜けた返事を返すと
円堂は問題に取りかかった。

「…ううう、わからん」

円堂はシャーペンを持ちながら
腕を組んだ。
その仕草に今更ながら違和感を覚えた。

「…円堂って、前から考え事する時
腕組むっけ」
「え?…ああ、いつの間にかしてた」
「無意識かよ」

俺は少しだけ微笑んだ。

「癖だって、癖」
「癖か。
…あ、そういえば俺も考え事する時腕組むな」

思い返すと
数分前にやっていた気がする。

「風丸はいつもしてるだろ。
…あ、だからかな、
風丸の癖うつったかも」

へへ、と心底嬉しそうに笑うのを見て
俺も自然と頬が綻ぶ。

「そのくらい、昔からいつも居るんだな」
「愛の証だな」

さらりと恥ずかしい台詞を言い遂げた。
不意打ちだったので
瞬時に顔に熱がこもる。

「ば、馬鹿じゃねーの…」

恥ずかしくて手で顔を隠した。

「へへっ」

指の隙間から
円堂の満面の笑みが見えた。

俺は手の下で
微笑み返した。



‐‐‐‐‐‐‐‐
うわあ…短い。
中身薄くてすみません。薄型です。


bkm

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