「それじゃあ行ってきまーす」
「行ってきます」
俺はおばさんにぺこりと頭を下げた。
「気をつけてねー…………」
ふああ、と気が抜けた欠伸をしながら
おばさんは見送ってくれた。
「うー、さみい!」
「本当さむいな…それに暗い」
言葉と共に白い息が吐き出された。
俺たちは今、
夜中の11時半を示す中
夜道を歩いていた。
周りには車や人が
たくさん行き交っている。
きっとこれから新年カウントダウンをしに
神社へ向かう人たちだろう。
俺たちもその中の一人だった。
数日前、円堂が突然言い出したのだ。
『カウントダウン、
神社でしてみたい!!』
その突拍子な発言は
円堂の恐るべき行動力によって
今日、実現するのであった。
← bkm →