暑さと気だるさで
目を覚ました。

顔を手で拭うと汗がついた。
背中には汗がこびりついて気持ち悪い。

「あっちい………」

口に出して言えばもっと暑くなった。
黙っていよう。

ごろん、と寝転ぶと
目と鼻の先にスヤスヤと眠る
幼なじみ兼親友兼恋人である顔があった。

(可愛い)

俺は汗で張り付いている
焦げ茶色の髪を払いのけた。

「………………うー…」
「あ、ごめん起こしたか?」
「いや…別に…………
あ、おはよう風丸…」
「おはよう、円堂」

朝の挨拶を交わすと
円堂は呻きながら
枕に頭をグリグリと押し付けた。

「あっ………ちいー………」
「朝でこの暑さだと
昼は猛暑になりそうだな…」
「だなー…………」

俺は肘をつきながら
円堂の気の抜けた返事を聞いた。

「かぜまるうううー…」
「うわっ、抱きつくなよ暑いだろ」

また呻きながら
俺に抱きついてきた。暑い。

「暑さを共有しようぜ」
「くっつかなくても共有してるよ」

背中に円堂のぬくもりを感じる。
暑いけど、嬉しい。

「えへへ、風丸好き」
「はいはい」
「素直になれよ風丸ー」

円堂には
適当に返事したのは
照れ隠しだということが
バレバレのようだ。
それさえも嬉しい。


bkm

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