「じゃ、やるか。
俺あっちでしてくるな!」

円堂は放たれた矢のように
ピューと行ってしまった。

「………さて」

俺は頭作りに取りかかり始めた。





「ぬあー!疲れた!」

俺はすっかりでかくなった雪だるま(の頭)の横に寝転んだ。
さむっ。つめたっ。
すぐに起き上がった。

そろそろ円堂を呼ぼうかと立ち上がると
タイミングよく円堂が駆け寄ってきた。

「風丸ー!出来た!?」
「おう!」

俺は雪だるまの頭になるであろう物を
ぽん、ぽん、と優しく叩いた。

「じゃあ、合体させようぜ!」
「おう、って………ん?」

もしかして円堂の後ろにある
馬鹿でかいまん丸な雪の塊は
…体?

「…体でかくね?」
「今時の雪だるま、
こんくらい心も体もでかくねーと
モテないぜ」

あほか、と頭にチョップを入れた。

仕方なく俺作の頭を
男二人がかりで体に乗せた。
重い。やっと乗せられ、全貌を見ようと後ずさった。

「「おおおおお…!!」」

完成はした。
完成はした。が。

「「でっけえ………!」」

なんと俺らよりも身長の高い雪だるまが出来た。

「これでかすぎだろ…」
「で、でかすぎたな…」

円堂と目を合わせ、
どちらからかはわからないが
可笑しくて笑った。

「はは、は、でかすぎだろ!」
「本当だな!!ははははは!!」

しばらく笑いが収まらなかった。
落ち着くと、木の枝や石を拾ってきて
顔や腕を作ってあげた。

「いい感じだな」
「そうだな」

ぐうー…

「……………………」
「……………………」

円堂の腹の虫が鳴った。

「…帰るか?」
「…おう。腹減った」

そういえばかなり時間が経っている気がする。
夢中だったから気がつかなかった。

「じゃあな、ジョン」
「誰だよ」

俺たちはその場を後にした。



‐‐‐‐‐‐‐‐
私の住む地域は雪が降りにくいので
羨ましさを含めて書きました。
ジョン可愛いよジョン(?)


bkm

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