「……!…こ、これは……!」
「えっ、ま、まずかった?」
「美味い!いつもと味付けが違うけど
同じくらい美味いな!」

お世辞とかでは無く、
本当に美味しい。
いつもはちょっと半熟なのが美味いが
今日は半熟じゃなくてちょっと甘い味付けだがそれが美味しい。

「そ、そっか」

風丸は何故かほっとしていた。

「僕にもちょうだーい」
「俺も一口」
「俺も頂いていいか?」

次々と玉子焼きを口にした。
揃えて「美味い」と口にする。
本当に美味しいからな。

「ありがと」

そう言って風丸は自分のように笑った。
俺は疑問を投げつけた。

「なあ、何でいつもと味付け違うんだ?」
「あ、それは俺が作ったからだと思うぜ」
「へえーそうなのか!……………えええあ!!?」

豪炎寺たちも目を見開いた。

(これ、風丸が作ったのか…?)

「実は昨日から母さんが研修旅行に行ってていなくて
父さん料理出来ないから仕方無く作ったんだ」

風丸は照れくさいというような表情で答えた。
…風丸料理出来たんだ。

「円堂、今失礼なこと思っただろ」

じろり、と睨まれた。
何でわかったんだ。

「風丸君凄いねー」
「いや、そんなことないぜ」
「本当凄いな!」
「円堂まで何だよ」

そう言って笑う風丸はまんざらでも無いようだ。

「でも本当凄いな!
良い嫁さんになれるぜ!」
「………………はっ!?
お、俺男なんだけど…」
「風丸は俺の嫁だ!」

俺は立ち上がって腰に手を当て、力強く宣言した。

「ちょ…円堂…周り見てる…」

俯いた風丸は
湯気が出るくらい顔を赤く染めた。

「へへっ」

俺もちょっとだけ赤く染まった顔を綻ばせた。



「豪炎寺君、鬼道君、僕たち空気だね」
「気にするな吹雪」
「いつものことだ」
「そうだねえー」




‐‐‐‐‐‐‐‐
料理が結構上手かったら可愛い。
下手でも可愛い。
ちょっと円堂君が恥ずかしい子(笑)


bkm

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