「かーぜまる!」

胸を後ろから揉むように
抱きついた。

「ひあっ!!」

女みたいな声が
ざわついた部室の中で響き
突如しーん、と静まり返った。

後ろから抱きついているだけでわかるくらい
風丸は耳まで赤くして
硬直している。

「ほら、豪炎寺!
可愛いだろ!?」

ほら見ろ、というように
勝ち誇った顔で豪炎寺を振り向くと
目線を逸らされた。

「ほら、見ろよー」
「…………………円堂………」
「へ?」

ゆっくり風丸の顔が
俺の方へ向けられた。

「………………ひっ!」

俺は小さい悲鳴を上げた。
何故なら、世にも恐ろしい顔が
目の前にあったからだ。

「何、してるんだ…?
………円堂…………」

ヤバい、滅茶苦茶怒ってる。

「す、すみません…」

頭を下げた。
すると、頭上だから鼻水を啜る声が聞こえ

「………もう、知らん」

と涙声が聞こえた。

気付いた時には
風丸は部室から走り去っていた。

「か、風丸!」

ごめんってばー!という俺の叫び声が
未だに静まり返っている
部室でこだました。

「……バカップルが…」

誰かがそう呟くと
部室に居る全員が
勢い良く頷いた。



その後、無事仲直りしたという報告が
豪炎寺に届いた。



‐‐‐‐‐‐‐‐
ただ風丸さんの胸を
揉みたかっただけ。
豪炎寺くんは友情出演(笑)


bkm

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