風丸は既に階段を降りていた。

「風丸!!」

名前を呼ぶと
風丸はこっちを振り向いた。

一つ段を降りようと
足を踏み出す。



不思議だ。

スローモーションで流れていく。

足を踏み外す。

宙へ浮く。

風丸は目を見開く。

風丸に向かって落下する身体。

それを受け止めようとする風丸。

風丸は俺を抱きしめると
勢いのまま後ろへ倒れ込んだ。

ゴツンと、嫌な音がした。

ドサッ

「いて、て…
…おい、風丸、大丈夫か…。
…風丸?」

反応が無い。
身体を起こすと、
風丸は目を閉じていた。

おい、風丸、と呼びかけても
反応が無い。

ぺちぺちと頬を叩いても
反応が無い。

「風丸…風丸!」





その後の記憶は定かでは無いが
先生に泣きながら事情を説明し
救急車を呼んでもらった記憶がある。

その間もひたすら
泣きながら名前を呼ぶことしか出来なかった。


bkm

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