それからの日々は
とても早く感じた。
新一年生がたくさんサッカー部に
入部希望しに来たり、
初めての後輩に壁山たちが戸惑ったり
どんどん過ぎていった。
その中でも度々
風丸は上の空な時があった。
聞いてみても
何でもない、の一本道だった。
春は思いのほか早く過ぎ
そして夏。
「キャプテ〜ン!
引退なんてしないで下さいッス!」
「か、壁山…」
「風丸さんもでヤンス!
引退なんてしないでほしいでヤンス!」
「栗松…」
部活引退の時が来た。
お別れ会では泣きながらも
思い出話をたくさんした。
その日は俺の家に皆で泊まった。
疲れたのか皆ぐっすりと眠った。
だが俺は中々寝付けず
ベランダで頭を冷やしていた。
不意に、後ろから音が聞こえた。
「円堂、眠れないのか?」
「風丸…お前もな」
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