「ここが風丸のクラスだ」
無人の教室は
窓から差すオレンジ色に染まっていた。
「ここが………」
「確か風丸はこの席だったかな…」
風丸がかつて使っていた机を
優しく撫でる。
昔の風丸が
そこに座っているようだった。
「…ここが、俺の席か」
知らないはずなのに
懐かしむように座った。
「はは、席小さいな」
風丸はそう笑いながら言うと
席から立ち、窓側まで歩み寄り始めた。
「なあ円堂、俺のこと好きか?」
「…へ!?」
「俺はお前が好きだよ。男としてな」
どういう、ことなのだろう。
頭の中は真っ白で、整理がつかない。
「俺は、円堂のことが好きだ」
風丸は熱っぽい眼差しで俺を見据えた。
風丸が俺のことを好き?
「でも、」
← bkm →