「一郎太って面白い名前だね」
「髪長いな!」
「顔女子よりキレーだな」
「円堂と知り合いなの?」
「○○高校ってどこ?」
質問攻めだ。
風丸が助けを求めるように
俺を見つめてきた。
うん、しかしこれはどうすればいいだろうか。
とりあえず駆け寄り
「ほらほら困ってんだろー」
と助け舟を出した。
「ちえー」「風丸くんこれからよろしくね」
「後でアド教えろよ」と口々に言いながら
散らばっていった。
「助かったよ円堂」
「へへ。あ、こいつが鬼道」
「鬼道有人だ。よろしくな」
「よろしく」
二人は握手を交わした。
多分こいつらも同じように
昔のようになるだろう、と予想した。
その後、染岡たちにも事情を話した。
戸惑ってはいたが、
以前と同じように接した。
そして転校生という珍しさは
次第に薄れて落ち着きを取り戻し
風丸はクラスにすっかり打ち解けていた。
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