しばらくして高校に着いた。
「ここか…」
「ああ。あ、職員室わかるか?」
「いや。案内してくれ」
下駄箱で上履きに履き替え、
風丸を職員室まで連れて行った。
「あ、そういえばお前何組なんだ?」
職員室の手前で
突然聞かれた。
「え、3組だけど…」
「そっか。
じゃあまた後でな」
「うん。じゃあな」
風丸と別れた後、
自分のクラスに急いだ。
自分の席に鞄を置くと
既に登校していた鬼道が来た。
「おはよう円堂。
知ってるか?」
「おはよ!…って何が?」
「転校生が来たらしいぞ」
転校生、ということは
風丸のことだろう。
「そうだよ鬼道!
その転校生、風丸なんだ!」
「えっ風丸なのか!?」
鬼道は嬉しそうに
口を歪めた。
鬼道は久しぶりに会うな、と呟いた。
「あ、で…言わなきゃいけないことがあるんだ」
首を傾げた鬼道に
記憶喪失のことを話した。
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