「ごちそーさま!」

「ごちそうさまでした」

カチャリと箸を置き
「じゃあ行くか」と風丸に話し掛けた。

「じゃあ行ってきます」

「行ってきます」

「いってらっしゃい、
二人とも」

俺たちは鞄を持ち
家を後にした。



ふと風丸を見ると
憂鬱そうな顔をしていた。

「どうした?」

「え?」

「憂鬱そうだったから…」

風丸は目をぱちくりとさせ、
よくわかったな、と
感嘆の声をもらした。

「わかるよ、風丸だもん」

俺はへへっと笑った。

「………そっか」

風丸は少し複雑そうに
微笑した。

その様子が少し気になったが
「それより」と風丸によって
疑問は遮られた。

「高校ってどんな所なんだ?」

「え?うーん…普通だよ」

それ以外答えが見つからなかった。

「俺中学校とかの記憶も無いからさ
想像もつかないんだ」

ハッと気付いた。
記憶上では学校に通うのは
これが初めてになるんだ。

「じゃあ憂鬱そうだったのは…」

「緊張しててさ」

理由がちょっと可愛いと
思ってしまい、思わず頬が緩んだ。


bkm

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