つい大きな声をあげてしまった。
「……うるさい…」
「あ、…ごめん…」
寝ぼけているのだろうか、
枕に頭をこすりつけながら言った。
しかしそろそろ起こしてやらないと。
そう思い、俺は風丸の身体を
ゆさゆさと揺らした。
「かぜまるーおきろおー」
「んー…円堂…?」
風丸はようやくまぶたを持ち上げ
目を開いた。
「…おはよ」
「おはよ、風丸」
まだ眠いのか
目をこすりながら言う姿は
可愛かった。
(…可愛かった?)
今思った事に疑問を持ちながらも
疑問を打ち消し身体に鞭を打って
身を起こした。
「そういえばお前、制服は?」
「んー鞄の中に入ってる」
まだ寝ぼけ気味なのか
目は半開きだ。
「ほら、顔洗おうぜ」
俺は風丸の手を握き、引っ張った。
(この感触も懐かしーな)
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