そして後から母に
色々話を聞いた。

母の名前、父の名前、
俺は稲妻町で育ったこと。
雷門中という所に通っていたこと。
引っ越しでこちらの街に来たこと。

驚いたのはサッカーをやっていて
なんと世界大会にも出たらしい。
全く覚えていないのが残念だ。

そして幼なじみの存在
円堂守のこと。
何も覚えていないのに
その名前を聞くと
懐かしい気持ちになった。

それから記憶を無くしたのは
交通事故で頭を打ったのが
理由だということ。

足を骨折しているのも
そのせいだということ。
全治三ヶ月はかかること。

『それとね、
一郎太が早く思い出せるよう
怪我が治ったら町に戻ろうと思うの』

『そうなんだ。
…俺も戻りたいよ。
記憶を取り戻しに』

俺は記憶を取り戻したいと
望んでいた。

だから、稲妻町に
戻ってきた。


bkm

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