沈黙が訪れる。
どう話しかけていいのかわからない。
そんなことなんて今までに
あまりなかった。
沈黙を破ったのは
風丸だった。
「…その、さ、なんかごめんな。
久しぶりの再会らしいのに、
円堂のこと覚えてなくて。」
"らしい"という言葉に
胸が苦しくなった。
「…いいよ、仕方ねーし。
それよりも聞かせてくれないか。
…何で記憶、無くなったのか」
胸につっかえていた言葉を
俺はようやく口に出来た。
俺は現実を見るのが怖かった。
今でもこれが夢ならばいいのに
と現実逃避をしてしまう。
風丸は「わかった」と頷くと
一つ一つ事実を噛み締めるように
ゆっくりと話し始めた。
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