電車の動きが緩やかになる。
車窓越しに
水色の髪をポニーテールに結った
青年を見つけた。
(……風丸だ)
髪も伸びていて
少し顔は大人びていたけれど
それでもすぐにわかった。
視界が滲んだ。
すぐにTシャツから伸びた手の甲で
涙を拭い、風丸が出てくるのを待った。
プシュー
扉が開き、
私服を着て大きな鞄を持った
風丸が歩いて出てきた。
すべてがスローモーションに見えた。
(……やっと会えた……)
嬉しくて、嬉しくて、
俺はいつの間にか足を動かし
風丸の元へ駆け寄った。
風丸も俺の存在に気づき、
目を少し見開く。
「………風丸!」
俺は愛しいその名前を呼んだ。
「お前が円堂か?
初めまして…ってお前は違うか」
世界が暗転した様だった。
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