「へえ、風丸と会えるのか」
翌日、教室に着くや否や
鬼道に報告をした。
自分でもわかるくらい
顔をほころばせ、
身振り手振りで伝えた。
普段表情をあまり変えない鬼道も
嬉しそうに見えた。
「俺も行けないのは残念だが
会えるのを楽しみにしている、と
伝えておいてくれ」
「おう!」
「それにしても妙だな」
今まで笑顔だった鬼道は
険しい顔になり、眉間に皺を寄せた。
「何がだ?」
「いや…転校する時期がだ。
大抵夏休み後だろ?
それに…円堂一人で迎えに来いなんて
少し変だしな」
「何か事情があるんじゃないか?」
気にしなくても大丈夫さ、
と俺は明るく振る舞った。
鬼道もそうだな、と相槌を打った。
← bkm →