「ふむ…なるほど。
手紙を送っても返ってこないし
電話をしてもいつも不在…か。
何かあったんじゃないのか?」

「わからない…
でも何かあったなら
風丸のお母さんが言うはずなんだよ」

そう言うと
「確かにな」と鬼道は頷いた。

今日また電話しよう。
そう決心した。





夜。
電話機を持って
風丸の自宅へかける。

プルルルルル…

3コール、4コールと
コールは続く。

切ろうと思い、耳から離すと
ガチャ、と音が鳴り
「………円堂くん?」という
声が聞こえた。

「もっもしもし!円堂ですが!」

「…ごめんね、
今風丸はいないの」

いつも通りの台詞、
俺は問いただした。

「…本当ですか?
…実はいるんじゃないですか?」

「…………………!」

おばさんは押し黙ってしまった。

しばらく沈黙が続いたが
耐えきれずに口を開こうとすると
「……………わかったわ」
と諦めが混じった声が聞こえた。

「え?」

「実はね、7月にまたそっちに戻るの。
また引っ越さなきゃならなくて…」

「も、戻ってくるんですか!?」

「ええ、そうよ。」

俺は心が躍った。
また風丸と一緒に過ごせる。
そう思うと自然と笑みが出た。


bkm

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