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::円→風(初対面)

「ありがとうございましたー」

俺は店員の決まった挨拶を背にファストフード店を出た。

「さっみ…」

思わずポケットに手を突っ込んだ。

「豪炎寺…早く来ねえかなあ…」

今日はサッカー部のクリスマス会の買い出しに来た。しかし俺だけでは心配だとか言われ、豪炎寺も同行することになった。
10時に待ち合わせだったのだが、目覚まし時計をセットし間違え、1時間前に来てしまった。あの律儀な豪炎寺とはいえ、1時間も前から居るわけは無かった。
と、いう訳で暖を取るのと、食い忘れた朝食を済ますためファストフード店に入った。

『現在キャンペーン中でストラップがつきますー!』

店員の言ってたことを思い出し、携帯を取り出した。そこには新たにハンバーガーをモチーフにしたストラップがつけられていた。
CMでもやっていたが、キャンペーンで貰えるらしかった。ちょうど何もついてなかったので、有り難くつけさせてもらった。



俺は待ち合わせ場所に戻った。しかしまだ30分前。

(体力勝負になりそうだ…)

俺はベンチに腰掛け、携帯をいじくり始めた。

すると、横から人の気配を感じた。見上げると、見たことのないくらい綺麗な空色の髪をポニーテールに結ってる、少年?だった。キリリとした眉と対照的に整った顔立ちは女性らしさを彷彿とさせる。

じっと見ていたためか、目が合ってしまった。思わずドキリとする。
すると、その人はくすり、と柔らかく笑った。またドキリとする。

「それ」
「え?」
「お揃いですね」

そう言ってその人は携帯のストラップを見せるように揺らした。

そのストラップは、さっきつけたハンバーガーのストラップだった。

「あ、」

俺が納得の声を上げると、その人はまたにこりと笑った。


恋に落ちる、音がした。




ラジオでこんな話をやってたので…。なんか少女漫画っぽい(笑)

 
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テーマ「人外ファンタジー」
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