遊さんから!
「いいか、私の作戦通りに動くのだぞ」
ナツ、グレイ、エルザ、ルーシィ、ハッピーはマスターの勅命を受け闇ギルドの討伐にきた。
今回は闇ギルドが拠点にしている森の奥にある小屋にいる奴らを一掃するという内容だ。
「いいか。まず、私とナツが小屋に入り本当に闇ギルドか確かめる。その後、もし奴らが闇ギルドで間違えなかったら、合図をする。そしたら、グレイ、ルーシィ、ハッピーは奇襲をかけてくれ」
「おう」
「わかったわ」
「あい」
「よし。ではナツ行くぞ」
「おう!」
こうして、ナツとエルザは小屋に向かう。
「うまくいくかしら?」
「ルーシィ、エルザ様の作戦が気に入らなかったの〜?」
「そうじゃなくて、ナツがまた、暴れ過ぎちゃわないかなって」
「ナツならやりかねねぇな」
「それがナツです」
ルーシィの不安にグレイとハッピーが答える。
その時
――ドカーン
「「「!!」」」
「合図だ!ルーシィ、ハッピー!行くぞ」
グレイのかけ声で3人は小屋に飛び出そうとした。
「おい」
「なっ!!」
呼び声と共にグレイは腕を掴まれる。
「お前らここで何してる?」
「グレイ!?」
ルーシィが振り向くとそこには腕を掴まれたグレイと数十人の魔導士がいた。
「ハッピー!ルーシィを連れてナツ達の所へ行け!」
「きゃ、ハッピー、グレイを置いてくつもり?」
ハッピーはルーシィを掴み、羽根を広げて小屋まで飛んでいく。
「ちっ、1人逃げたか」
「コイツを上手く使えば問題ねぇよ」
「っく」
グレイは腕を後ろに回された。グレイはその手から逃れようと、魔力を込めようとするが、
「何企んでるんだ、コイツは!」
「っがは!」
腹を思いっきり殴られたグレイは意識を失う。
「ハッピー!グレイが…」
「オイラだってグレイが心配だよ。でも、あの状態でオイラ達に出来ることは助けを呼ぶくらいだよっ」
「ハッピー…」
「急いでナツ達に知らせなきゃ」
「そうね、急ぎましょ」
* * *
* * *
「なんだ、コイツらすげぇ弱ぇ。これで闇ギルドとか名乗んなよ」
「確かに、とても呆気なかったな。しかし、グレイ達はなぜ来ない?」
ナツとエルザは小屋にいた闇ギルドの奴らを1人残らず倒していた。しかし、一向に姿を見せないグレイ達を不振に思っていた。
すると窓から聞き慣れた声が入ってくる。
「ナツー!エルザー!」
「ハッピー!ルーシィ!お前達遅すぎるぞ」
「エルザ!今それどころじゃ…」
「おい、ルーシィ。グレイはどこだ?」
「だから、グレイが捕まっちゃたの!」
「なっ?」
「なぜそれを早く言わない?」
「言おうとしたわよ」
「ナツ!どこへいく?」
「グレイを助けに行くに決まってんだろ」
ナツが小屋から出ようとしたとき、外からドアを蹴破られた。
「誰だ?人のギルドをこんなにメチャクチャにしてくれたのは〜!」
「ナツ、エルザ!コイツら、さっき話した奴らよ」
「テメェ等!グレイはどこだ!」
「グレイ?あーもしかしてコイツのことか?」
そういった男の後ろから気を失ったグレイを抱えた男が前に出てきてグレイを地面に落とす。
「グレイ!」
「おっと、近寄るんじゃねぇ」
男はグレイの髪を掴み、無理やりグレイを起きあがらせる。そして、剣をグレイの顔に向ける。
「くっ」
「貴様ら…!」
「おっと、武器を捨てて貰おうか」
「……仕方ない」
そう言ってエルザは剣を、ルーシィは鍵を地面におく。
「くっくっ、それでいい。ただ、俺達のギルドをここまで壊した落とし前はつけてもらうぞ」
「えっ?」
ルーシィが疑問を口にしようとしたとき
――グサッ
「いっ…!っああぁ!」
男はグレイの腹にむかって剣を刺した。痛みで意識が戻ったグレイはいきなり現れた激痛に悲鳴をあげる。
「グレイ!」
「慌てんなって。まだ死なねぇよ」
男はグレイを再び地面に落とし、グレイの傷口を足で踏みつける。
「痛っ!!」
「……」
「な、ナツ?何をしておるのだ?」
エルザはさっきから黙ったままでいるナツに声をかける。普段のナツはグレイが傷つけられた時点で怒り狂うのに…。
「テメェ等誰のものに手を出したか、わかってんだろうな!」
いきなり大声を出したナツは未だグレイを踏みつけている男の元へ殴りかかる。
「ナツ、グレイが…」
ルーシィが人質にされているグレイの身を案じるも、男が剣を振りかざす前にナツの拳が男の顔にのめり込む。
「「「……」」」
そのままナツは後ろにいた残りの奴らを一掃する。
いきなりのナツの怒涛に唖然とするエルザとルーシィとハッピーは見ることしかできなかった。
* * *
* * *
「グレイ、大丈夫か?」
「あぁ、なん…とか…な」
「とりあえず、止血しろ。魔法は使えるか?」
エルザに言われてグレイは傷口を氷で止血する。
「とにかく、いまから急いでギルドに戻るぞ。ナツ、グレイを担げるか?」
「楽勝」
「えっ、自分で歩ける…」
「怪我人は黙ってろ」
結局グレイはナツに背負わされることに。
その時、他の皆に聞こえない声でナツが呟いた。
「ごめんな、守れなくて」
「十分守ってくれたじゃねぇか」
「駄目だ!グレイに怪我させちまった」
「それは俺が油断してたから…」
「関係ねぇ。…次は絶対守るから」
「…頼りにしてるぜ」
「えっ?もう一回言ってくれ」
「〜〜、二度と言うか、馬鹿」
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